第2話

「お母さーん!いってきまーす!」

「気をつけてねー2人ともー」

俺は重い足で姉ちゃんと学校へ向かった。俺は小学生4年生となり、姉ちゃんは小学6年生となった。俺は小学生になってから色んな男の子や女の子を泣かせては担任に怒られ、母さんが学校に呼ばれるのは当たり前の日常になってしまつた。泣かせた理由のほとんどはクラスメイトが同じクラスメイトのことを男女問わずいじめるからだ。この年頃はみんないじめが好きだ。しかし俺が助けてもいつもいじめっ子のほうに言い負かされてしまい、俺が悪いとなってしまう。担任はずっと俺を目の敵にしている。母さんは俺に毎日

「気に入らないからって手を出していいとは限りません。あなたが悪いんだから。」

と俺の事を信じてくれなかった。本当のことを知る姉ちゃんは弁解しようとしてくれたが、母さんの思い込みは強く、逆に姉ちゃんが泣かされて終わってしまうため、俺は姉ちゃんを泣かせたくなかったからあえて聞き流すようにした。そして姉ちゃんにもう庇わなくていいと言った。唯一の俺の味方の父さんは俺と2人になるとき

「よっし!康子もいないからゲームしようぜ!」

と毎回俺がやらかした日は夜勤から途中で帰ってきてくれて母さんと姉ちゃんが寝静まった後ゲームするのが日課になった。父さんは夜勤で疲れているはずなのに、俺がストレスを解消できるまでゲームに付き合ってくれた。俺は父さんと一緒にいる時間が大好きだった。しかしゲームの途中でタバコを吸いに行くのでタバコの匂いがキツい時があり、それは我慢していた。

「おはよー!智ー!」

「はよ……」

「おはよう!」

登校途中で俺に声をかけてきたのは幼なじみの板倉 達也いたくら たつや。達也は板倉家の3人兄弟の中の末っ子で俺と同い年。少し黒い肌に髪の毛は丸刈りより少し髪が伸びている。

「智!今日音楽あるけどリコーダー持ってきた?」

「うん……だけど気が重いよ〜」

「智は音楽が苦手だもんね。」

そう姉ちゃんが言う通り。俺は音楽が苦手だ。歌なんか歌えないし、楽器なんかもってのほか。音楽という授業が俺にとっては憂鬱だった。まさかこれがあの事件を引き起こすだなんて思いもしなかった……
























「はーい!みんな1回リコーダーで音合わせしますよ!」

「うわ……最悪。」

「智!やりパクだけしておけって!俺もそうするから!」

「さすが我が悪友よ……」

俺と達也は同じクラスで先生の周りでリコーダーをみんなで合わせて吹くことになった。

俺はその当時クラスの中で1番背が高かった。2列に背の順となり、俺の前にはクラスで1番小さく、クラスのマドンナがいた。

「いくよー!さんはい!」

と先生の合図とともにリコーダーを吹くフリをしていた。吹き口を口につけて指を動かすだけ。しかしそれがいけなかった。

















「きゃー!」

「大丈夫!?ちょっと!蓬莱さん!なにしてるのよ!」

俺はリコーダーの吹き口からヨダレを垂らしてしまい、それがくぅちゃんの頭に垂れてしまったらしい。

俺はこの日音楽が嫌いになったのと人生で忘れられない黒歴史となった。

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