第14話

 話がそれてしまいました。


 例のイレイサーが襲撃事件に関わり、事態が大きく動き始めます。

 まあ重症のイレイサーのバディが暴走した、とも言いますが。


 当初私は、彼の魔銃『オーシャン・スチール』が狙われているのだと考えていましたが、聖剣『レプラホーン』を狙った襲撃だと彼は言いました。


 そうなんです。


 私があの店に預けてたんですよ、聖剣『レプラホーン』。鞘をね、作ろうかなあって思いましてね。


 だって俺に任せとけえって言っちゃってたもんですからね。


 あ、いや、まあそれは、ね。


 まあそんなこんなで、彼らはその『遺物』をイレイスすることに成功しました。


 イレイス後、その場には東方の刀を作成する際の道具、『玉箸』という道具が残されたそうです。


 そこまでわかった段階で例のイレイサーはだいたいの事を読み取ったそうですが、国家機密にも抵触するところであり、彼にはあえて話していませんでした。


 実は、この『玉箸』という道具だけではなく様々な道具が帝国内に持ち込まれていました。


 ええ、憑き者が付いている状態で、です。


 そしてこれには『アブソス』という組織が深く関係していました。


 この組織を語るためにはオルドゥアズ教とカタデリー信仰との関係について話さなければなりませんが、後述させていただこうと思います。


 とても一口で言い表すことができないのです。


 まあそれはともかく、『アブソス』組織はイレイサーを直接狙ってきたのです。これは、この後起こるファンドリールとの戦いにも大きく関わってくるのですが、大きな動きの中で起こった事象なのだと考えられます。


 ま、なにより『アブソス』が関わっているという事が分かった段階で、イレイサーたちは組織を潰すための動きを始めました。


 私は別のイレイサーに指令を出し、この組織が狙っているというオルドゥアズ教の遺物についてを調査させる事にしたのです。


 この連続殺人からのイレイサー襲撃事件があんな大きな事件になるとは思いもしませんでした。


 だってもうこの段階でかなり大きな事件じゃないですか。


 それがこんな大事になるなんて思いもしませんよ、普通。


 しかも例のイレイサーたちには全然関係ない作家先生からの依頼を受けさせたんですよ。


 それが何で繋がっちゃうかなあ。


 ヨシダさんには流石だ! って言われちゃったんですけどね、今回の件。


 あ、ここだけの話なんですけどね、ヨシダさんの奥さん、出て行ったらしいんですよ。まあ仕方ないですよねえ、あんなに怒鳴り散らす男なんてそりゃあ見限られますって。


 あ、うちですか?

 うちはほら、もう娘がね、それはもう可愛い盛りですから!

 今日も早く帰らないと!


 あ、また話がそれてしまいそうです。


 今回の報告はこのくらいにしておこうと思います。





 次回更新

 2023/02/19 02:00

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