File05_見知らぬ憑き者
第12話
皆様こんにちわ。
最近、イレイサーの活躍を快く思っていない政治家がいるらしく、何かと苦情処理と報告をしています、プロデューサーのツノダです。
最近は胃が痛くて、ってまあ、胃が痛いって言ってもたいしたことないかって思ってたら、技術部のアンドウも同じような症状で、って、このアンドウってのがまたすごい奴で。
何がすごいって、いつも例のイレイサーが『遺物』をどうにもならない、復元不可能って状態にして戻って来るんですけどそれを、それをです、なんと復元しちゃうっていうすごい奴なんですよ。
ただ、まあこのアンドウね、実はものすごい目が悪くて味音痴なんですよ。おかげで以前もらったあのモズクチョコ。あれを渡したらまあ喜んで食べちゃって。
なんか感激されちゃってあんなもんで株が上がるという。
あ、申し訳ありません。また話がそれてしまいました。
今回は優秀なイレイサーが襲われた事件について書いていこうと思います。
この事件はその後に起こる大事件の発端となる事件でした。
そして何よりもイレイサー並びに連絡員が襲われ、命を落とすという事も起こってしまいました。
これは、我々イレイサーに対する挑戦であり、一般のイレイサーには知らせていない事実もあり、ここに記録しておくことが非常に重要と思われますので、記録をしていこうと思います。
そもそもこの二人は、帝国国防省刑事捜査機関への協力の多いバディで、遺物関連の事件だけではなく通常の事件にも協力しています。
その二人が連続殺人事件の捜査協力を始めた所、おかしなことが起こったそうです。どうしてもある特定の場所で犯人の足取りが消えてしまう、という事が起こったのだそうです。
その段階で、『遺物』関連のイレイサー案件なのかどうかは不明であったのですが、その痕跡が途絶える場所で二人は襲撃され、一人は負傷し、『ギリメカラ』を奪われたのです。
ああ、前にも書きましたが、そもそもイレイサーの能力については、おそらく現在では魔導具を使用する以外方法のない魔法を直接媒介する能力だと考えられています。
このバディ、一人は『ギリメカラ』という長剣を使い、もう一人はバーブド、いわゆる棘を武器にしています。
この棘について本人は一切話をしませんので、ここで書くことは控えさせて頂こうと思いますが、彼女の身体には常に動く黒棘の刺青が入っていることはお伝えしておきます。
彼女も過去にいろいろあった、とだけお伝えしておきます。
まあ、そんなわけで彼女は相棒が死んだものと勘違いし、暴走していきました。
私が彼の無事を伝えなかったのではありません、彼女が聞かなかったのです。
それだけはここに書き留めておこうと思います。
次回更新
2023/02/17 02:00
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