File01_バクトンの見えない鐘
第7話
またしても。
またしても報告書を上げなければなりません、プロデューサーのツノダです。
今回は、また、例のイレイサーたちの話です。
前回お話した聖剣のイレイスの邪魔をされたくないので彼らには、帝国北西にあるミャスト島ロッキングの町のイレイス指令を出していました。
あ、この帝国の北西の島、ミャスト島なんですが、これがまあ田舎で。帝都からわりと近いのになんであんなに田舎なんでしょうって言うくらい田舎で。
それが報道のヤスコさんが生まれた場所なんですよ。
で、このヤスコさんが、こないだ買ってきたお菓子がめちゃくちゃおいしくて、これどうしたの? って聞いたらまた大声で話すもんだからヤノさんに見つかっちゃって、なんで私にはないんだあ! ってあばれだしちゃって、もう、ほんと大変で。
あ、話が逸れてしまいました。
その、ロッキングの町の情報は完全に偽物、お話にならなかったんですが、そこは、はい、私の演技力で、ね。うまく言い含めて向かわせたわけです。
そこまでは良かったのですが、この二人が霧で道に迷ったそうで、バクトンという町に辿り着いたんだそうです。
そこでイレイサーたちは聞こえるはずのない鐘の音を聞き、気になって調べ始めたんだそうです。
しかし、町には教会はなく、昔時報塔があったのだという事が分かりました。
この時報塔を調べる事になったのですが、たまたまここに件の国家情報保安局職員が訪れていたのだそうです。
国家情報保安局が登場してきたという事は、カタデリー信仰に関する情報の秘匿及び削除が目的だと思われます。
そしてイレイサーたちに接触し、情報の交換を行ったらしいのですが、イレイサーたちはその前にすでに時報塔地下施設を発見していました。
イレイサーたちは、カタデリー教団の法衣から現れた仮面をつけた骸骨との戦闘をも行っていたのです。
その仮面が、今回報告を行っている問題の仮面になります。
先ほど申し上げました通り、この仮面の発見時、すでに憑りつかれていた状態であり、イレイスの対象となります。
イレイサーは直ちにイレイスに取りかかり、戦闘となったわけです。
この仮面の遺物をイレイスするために眉間部分に銃弾で打ち抜く必要があったと考えます。決して過剰な攻撃を行ったという事ではない、と申し添えておきます。
その後、彼らは、謎の魔獣と交戦しこれを撃破。
この魔獣の正体は不明。
次項、この魔獣についての報告を行います。
PS.ヨシダさん、もうこの辺で勘弁してもらえませんかね? 最近帰りが遅くなってて、娘のご機嫌がすこぶる悪いんですよ。パパ、嫌い、とか言われたらどう責任取ってくれるんですか? あ、いや、脅しとかそういう事ではないですから。ただちょっと最近、どうかなあって。あ、いや、大丈夫なんですけどね。 ツノダ
次回更新
2023/02/10 02:00
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