第6話
「な? こういう事なんだよ」
「どういうことだよ。全然わかんねえよ」
「なっ?! 今、説明したろ? ハルキがニッタと広場行ってイッコとホリが居てゴーストが居てって、んで倒して箱が出て聖剣だったのをハルキが騙くらかしてこっちの物にしたって話じゃん」
「わかんねえよ、いろいろおかしいだろ? そもそも広場に行けって言ったのはあんただろうが。んで、なんだよ騙くらかしてって。別に騙してないだろ、聖剣が選んだんだよ、聖剣が!」
「いや、まあ、そうか。そうなの?」
「そうなの!」
「まあまあ。んで、よくイッコとホリが見逃してくれたなあ。ニッタの件も含めて」
「ふんっ! いつもの貸しを返してもらっただけすよ」
「いや、そうは言うけどこれ、お前、バレたら国と戦争だよ? いやあ、ほんと危ない橋渡るよなあ。何回も言うけどな、ハルキ。たまには俺の言うとこ聞いてまじめに仕事をしろって」
「まじめに言うこと聞いてこうなったんだろうが! あんた、ほんといい加減にしないと呼び捨てにするぞ、この野郎」
「なあ、ハルキ」
「なんすか?」
「なんで聖剣がニッタを選んだんだ?」
「知らねえよ。まあ、今考えると、『聖石』も関係してんじゃねえかとは思えるけどな」
「ん? どういうこと?」
「ほんっと少しは考えろよ。『帝都の聖蹟』事件はなんで起こったんだよ?」
「さあ? なんで?」
「おい、ツノダ。もうほんと呼び捨てる。ツノダ、本気で言ってんのか?」
「あ、二回も! 二回も呼び捨てた! ええ、はい、本気です」
「はぁ。あのな、ユウジの『ギリメカラ』、ニッタの『聖剣』って、おい、お前、聖剣の名前言ってたな?」
「ああ、『レプレホーン』?」
「なんだそりゃ?! 聞いてねえぞ」
「あれ? 言ってなかった? アンドウが鑑定してわかったんだよ」
「ああ、アンドウちゃん。って、なんだよ、聞いてねえよ。レプレホーン? なんだそりゃ」
「アンドウが言うには、聖王歴千年頃の魔獣大襲撃時代の聖剣じゃないかって事だったな」
「やっぱりそうか」
「やっぱりって、お前、また、なんか隠してんだろ!?」
「なんだよ、なんも隠してないよ。今のでいよいよ『聖石』についてを調べねえとって事にはなるな。ああ、もういいよ、聞くな、俺に。んで、ツノダさん、その報告はまあいいとして、今の話で思い出したけどさ」
「ん? なんだ?」
「そういやあ、バクトンの鐘の時の、あれ、あの仮面、撃ち抜いちゃったやつ、あの報告もしなきゃいけねえんじゃなかった?」
「あーーーーーーーー!! いろいろあって忘れてた!! どうしよう、ハルキ」
「しらねえよ、まあ、がんばんな」
頭を抱えるツノダだった。
※イレイサー:File02_聖剣の行方:指令があれば何でも消します、「憑きモノ」を「ないモノ」に。クリスマスバージョン
https://kakuyomu.jp/works/16817330650913721799
次回更新
2023/02/09 02:00
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