第5話
そりゃまあそうなんですけどね。
あんまり悔しかったので、そのイレイサーのバディが持ってきた帝都広場のもみの木に出る幽霊のイレイス指令を出してやりました。
セントレイスデイは 昔、国の危機に英雄が現れ、騎士たちと共に神々と戦い、その戦いで多くの仲間を失った王と仲間たちがレイス領に戻ると王の恋人がレイス領を守るために戦い亡くなり、その後も激しい戦いが続いたそうです。
全ての戦いが終わり、レイス領戦場に一本だけ残った大きなもみの木に仲間や家族、恋人のために騎士たちが剣を突き刺し慰霊を行う風習が生まれた。
王はその風習を聞き、自らも恋人の短剣をもみの木に突き刺した。
そこに恋人が女神となって現れ
『悲しみを乗り越えて。姿は見えなくてもあなたをずっと見守っています』
と言い、木に刺さった剣が集まり新しい聖剣ができ、その聖剣を携えた王は剣の力で国を導いたのだそうです。
人々はその事を喜び、その日は聖なる日として祀り、女性や王、騎士などの亡霊が現れる日と言い伝えられるようになったというのが由来なのです。
現在この日は、恋人たちが仲良く過ごす日になっています。
例のイレイサーは嫌がりましたがせっかくのバディですから、一緒に行って調査しろ! と、指令を出したのです。ふふふふふ
それがまさかあんなことになるとは思ってもみませんでした。
報告では、頭の上に黒い球体がある男が現れ、突然大きな爆発音が聞こえてきたそうです。辺りは緊急速報を知らせるサイレンが鳴り響き、広場はパニックになったそうです。
そこで調査をしていたイレイサーと、偶然居合わせた国家情報保安局の職員たちと協力してそのゴーストをイレイスしたそうです。
この偶然居合わせた国家情報保安局の二人の格好が聞いたら、まあ、流行りの赤いドレスと、いかついスキンヘッドは赤いタンクトップに赤いパンツだったそうでそれはそれで見てみたかったなと思います。
あ、また話が逸れて。
なかなか強敵だったらしく、通常の攻撃はほぼ効かなかったそうです。そこで例のイレイサーは相棒をゴーストの口に投げ込み『オーシャン・スチール』を放ったそうです。
まあ、これも、彼にはいつも言ってるんですが、仕方がなかった、やるしかねえだろ、と返されてしまいます。
しかし、相棒の魔法増幅についての秘密を国家情報保安局に知られることになり焦りましたが、旧知の間柄だったらしく秘密は守られそうだという事でした。
ゴーストを倒した後、そこから箱が現れたのだそうです。
そしてその箱の中身は、ずっと行方を捜していた『聖剣トーニセルーン』だったのです。
あろうことかその聖剣が持ち主に選んだのが例のイレイサーの相棒だったのです。
勿論、その場に居合わせた国家情報保安局は黙っていられるはずがない、はずなのですがなぜかイレイサーの言葉に納得し、聖剣は聖剣と知らされていない相棒の物になってしまいました。
しかし、その剣は常に青い光に輝き、本人から眠れないほどまぶしいので何とかしてほしいと、私に、そう私に! 相談してきたのです!
どうです?
この、信頼されている感!
ですので鞘を作ればいいとアドバイスをし、その間、私がその剣を預かってやることにしたのです。
ただ、それだけなのです。
預かると、本当にピカピカ輝いていてあんまりすごいのでヨシダさんに見せに行っただけなんですよ。
次回更新
2023/02/07 02:00
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