第4話 寧々とのショッピングデート
今日の夕方は昨日買ったお揃いのアイテムを身につけて、デートとなっている。
俺が好きなのは今だけだ。きっと、2年後には他の人を好きになってる。だから、デートに誘われるのも今だけだ。
俺は心の中で何度も呟きながら、時間が来るまで漫画を描く。
しばらくすると、“ピンポーン”と玄関のチャイムが鳴る。
俺は急いで玄関を開け、寧々と乃々華を迎え入れる。
「お疲れ、2人とも」
「ただいまー!」
「お疲れ様です。先生」
2人は靴を脱いで、部屋に入る。
2人に飲み物を提供して…
「で、今日はどうするんだ?」
俺は2人に任せっきりの予定を聞く。
「今日はね!寧々たちとショッピングデートだよ!」
「なるほど。でも、昨日買った物を身につけるってことは、3人で一緒にショッピングするわけじゃないんだろ?」
「はい。私と寧々は1時間ずつ先生とデートします」
というわけで、さっそくショッピングモールに向かった。
昨日と同じように2人から抱きつかれ、周りから注目を集めつつショッピングモールに到着する。
ここに来るだけで疲れた……。
そんなことを思いつつ…
「で、まずは誰とお揃いのアイテムを身につけるんだ?」
「はいはーい!まずは寧々からだよ!」
寧々が手を上げてアピールする。
「なら、これを身につけるか」
俺はお揃いのアイテムを身につけた時の気持ちを理解するため、昨日寧々と買ったネックレスを手渡そうとするが、受け取らず、何故か俺に背中を見せる。
そして…
「お兄ちゃんにつけてほしいなー!」
そんなことを言う。
「そ、そうか。ならそのまま動くなよ」
「うん!」
俺は寧々の髪を触る。
やっぱり、女の子の髪ってサラサラしてて気持ちいいなぁ。
そんなことを思いながら、寧々の首元にネックレスをつける。
「ありがとー!」
寧々が振り返って笑顔で感謝してくる。
「ついに、お兄ちゃんからネックレスをプレゼントされたよ!これで、寧々はお兄ちゃんの所有物にされちゃったね!」
「ぶっ!」
なに言ってんの!?
「へぇ、先生は寧々を所有物にするために、ネックレスをプレゼントしたんですね?」
ハイライトの消えた目で乃々華が聞いてくる。
「ち、違う!俺にそんな意図はない!」
「そうなんですね。でも、寧々を見てください」
俺は乃々華に言われ、寧々を見る。
「しょ、所有物ってことはお兄ちゃんから、あんなことやこんなことを無理やりされて……えへへ〜」
顔を赤くし、体をクネクネさせながら、わけのわからないことを言っている。
どうやら別の世界にトリップしているようだ。
「さすが先生、寧々の性癖を熟知してますね。そして、今日からさっそく、寧々にあんなことやこんなことを命令するんですね」
「しないから!」
乃々華のジト目が痛かったです。
乃々華からの言葉攻めとジト目に耐え抜き、寧々とショッピングをするため、一旦乃々華と別れ、俺も寧々がつけているネックレスの色違いを身につける。
「まずはどこに行こうか?」
「今日は寧々とお兄ちゃんの服を買いに行くよ!」
「おぉ、俺の服も買ってくれるのか。それはありがたい」
俺にファッションセンスなんてないからな。
「じゃあ、さっそく……えいっ!」
そんな掛け声と共に、寧々が俺の腕に抱きつく。
「!?」
“ふにゅっ”という感触といい匂いを感じる。
うぉぉ!柔らかい!寧々のおっぱいが柔らかい!
さっきまでは抱きつかれても乃々華が隣にいたため、考えないようにしていたが、寧々だけに抱きつかれると、つい寧々の巨乳を堪能してしまう。
そのため…
「寧々、抱きつくのはやめてもらっていいか?」
「なんで?私はお兄ちゃんの彼女だよ?」
「いや、彼女じゃないから離れて……」
「ダメだよ!寧々とお兄ちゃんが仲良しカップルってところを他の人にも見せつけないと!」
「えぇ……」
「それに!お兄ちゃんから離れてると、寧々が知らない男からナンパされる可能性もあるんだよ!」
「それは安心しろ。寧々がナンパされそうになっても、俺が絶対守ってやるから」
俺の言葉を聞いて、寧々は一瞬で顔を赤くして…
「あ、ありがと。やっぱりお兄ちゃんはカッコいいね」
照れながら寧々が呟く。
「お、おう。俺は寧々のお兄ちゃんだからな」
(くっそ恥ずかしいこと言ってしまったぁぁぁ!!!)
結局、寧々を引き剥がすことができず、寧々に抱きつかれながら店に向かった。
寧々と一緒に女性服専門のお店へと入る。
しばらく、寧々と一緒に服を見ていると…
「お兄ちゃん!この服とこの服、どっちが寧々に似合うと思う!?」
寧々がワンピースタイプの服を2着、俺に見せてくる。
丈の長さがふくらはぎまであるワンピースと、膝上のあたりまでしか長さがないワンピースの2種類で、色も白か黒と全く異なるものだった。
「うーん、それなら丈の長いワンピース……かな?」
そう言って、白いワンピースを指す。
「ど、どうして?」
「えっ!そ、そりゃ……丈の短いのを着て、出歩いてほしくないから…」
俺は自分の願望を口に出すのが恥ずかしくなり、ボソボソと言ってしまう。
しかし、寧々には聞こえていたようで…
「お兄ちゃん!だーいすきっ!」
正面から抱きついてくる。
「ちょっ!」
「安心して!寧々が露出の多い服を着るのはお兄ちゃんの前だけだから!」
ニコニコしながら言われる。
「そ、そうか。それなら良かった……って俺はお兄ちゃんとして寧々のことを考えて言っただけだからな!」
俺は慌てて説明するが…
「クンクン……えへへ〜、お兄ちゃんの匂いだ〜」
「聞いてねぇし」
俺は幸せそうな顔をして抱きついている寧々に説明するのを諦めた。
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