楠ノ木彩姫の猛攻撃。

エクストラ1

「今日は折り入って、岡部君に聞いて頂きたいことがあります」


「なになに?」


「実は」


「実は?」


「焦がしてしまいました」


「ん、何を?」


「何をだと思いますか?」


「預金通帳」


「違います。こちらです」


「クッキー?」


「そうです。ただ時間を間違えてしまい、このようになってしまいました。どう思いますか?」


「でもおいしそうだね」


「それでは問題です。この失敗したお菓子を岡部君は食べてくれるでしょうか? 捨ててしまうでしょうか」


「貰っていいの?」


「はい、どうぞ」


「これ思ってたより焦げてるね。うーん」


「ですよね……」


「でもやっぱりおいしそう。開けてもいいかな?」


「無理しなくてもいいのですよ?」


「してないよ」


「では私も一緒に食べます」


「「いただきます」」


「……」


「……」


「やっぱりほろ苦いですね……失敗です」


「でも僕はこの味好きだよ」


「本当に好きなのはクッキーだけですか?」


「……え?」

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