第漆問

「楠ノ木さん」


「はい」


「最近元気ないね……どうかしたの?」


「あ、そう見えてしまうのですね」


「何か悩みがあるなら聞くから、いつでも言って」


「ありがとうございます」


「……」


「……」


「じゃあ、帰るね。また明日」


「あっ、のっ」


「え?」


「えっと、一緒に帰りませんか?」


「うん、いいけど」


**


「……」


「……」


「岡部君は」


「うん」


「どうして私の事を気に掛けてくださるのですか? 単に席が近くだから、ですか?」


「……」


「……」


「そうだね。えっと」


「……はい」


「それだけじゃなくて……気になるから」


「気になる?」


「だから、いつも通りにしてくれないと何か心配になるって言うか」


「では私から何かされても迷惑ではない、ですか……?」


「全然そんな事ないよ」


「そうですか。そうですか……っ」


「急に立ち止まってどうしたの?」


「それでは、第しち問です」


「待ってました」


「今後も変な事を言ってしまったりして、困らせてしまうかもしれません。それでも岡部君は笑っていてくださるのでしょうか? どうぞお答えください」


「……」


「……」


「うん、もちろん!」


「正解……ですっ」

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