エクストラ2

「楠ノ木さん」


「どうかしましたか?」


「これこの間のハンカチなんだけど。ちゃんと洗ってあるからね」


「あ、それですか。差し上げますよ」


「でもいつも使ってるやつじゃないの?」


「これですか? ほら、同じものを持っているので問題ありませんよ」


「じゃあ、貰っちゃおうかな」


「と言う事はお揃いですね。ちらっ」


「そ、そうだね……」


「あら、お嫌でした?」


「そうじゃないよ。えっと、大事にするね」


「嬉しいです。私がいない時はそれを私だと思ってください」


「さすがにハンカチには荷が重過ぎると思う」


「それでは問題いってみましょう」


「どうぞ」


「岡部君には意中の女性はいますか? いませんか?」


「きゅ、急に何を」


「気になったものですから」


「……」


「……」


「いるようないないような」


「すごくぼかされた気がするのですが」


「じゃあ楠ノ木さんはどうなの?」


「知りたいですか?」


「まあ」


「聞きたいですか?」


「まあ……」


「では耳を貸してください」


「ど、どうぞ」


「これから言いますから、よく聞いてくださいね」


「うん」


「すぐ近くにいます」

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