第参問

「楠ノ木さん、ちょっと」


「どうしたのですか、岡部君」


「あれから周りっぱなしだし、少し休まない?」


「あら、そうでしたか?」


「楠ノ木さんが楽しみ過ぎてて辛い」


「それではどこかで座りましょうか。私は詳しくないですから、岡部君がいいと思う場所に連れて行ってくださいね」


「あ、ちょうど空いてるしここにするね。ちょっと待ってて」


「はい」


「お待たせ、はいこれ」


「ありがとうございます。これで晴れてマイナス40ポイントは帳消しになりましたよ」


「こんなのでいいの?」


「ええ、まあ。今日来てくださっただけでも十分なくらいですよ」


「そもそもどうして僕を……?」


「うーん、それがわからないのですよね。なんとなく? では違うような気がしていて」


「わからない……」


「さて第さん問です。次はあれに乗りますよ。行きますか、行きませんか?」


「あれって。ま、まあいいけど」


「それではお手洗いだけ先に済ませておきますね」


「あ、うん」


「そうそう、これは差し上げます。何でしたら捨ててしまっても構いません」


「わかった」


「では後ほど」


「ん、これ……飲みかけ……!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る