第壱問

「岡部君おはようございます」


「楠ノ木さんおはよう」


「それでは初心に立ち返りまして第いち問」


「あれ? 十一問じゃないの?」


「諸般の都合です」


「そろそろ何に対しての問題なのか教えて欲しい」


「私達はテーマパークで待ち合わせをしています。ですが一向に私は現れません。さて、岡部君は帰りますか? 帰りませんか?」


「帰りません」


「ですよね。20分ほどして私が待ち合わせ場所に遅れてきました。岡部君は怒っていますか? いませんか?」


「いません」


「ですよね。では、どうして遅れてきたのかわかりますか? お答えください」


「寝坊した?」


「不正解です」


「電車に乗り遅れた」


「不正解です。連続のためマイナス15ポイントです」


「あれ、点数の概念ってあったの?」


「残り時間10秒とします」


「本人じゃないとわからないと思うし、実際なってみないと……」


「想像ができない、と」


「うん」


「確かにそれは一理ありますね。それでは」


「……?」


「実際に待ち合わせをしましょう。日曜はお暇ですか?」


「特には何もないけど」


「ではここにある指定の場所に来てください。お嫌でなければ」


「別にいいけど」


「そうですか、ではまた後日」


「あれ、これって……二人で?」

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