第九問
「岡部君。岡部君聞こえますか?」
「楠ノ木さん……。あれ、ここは?」
「保健室ですよ。あれから岡部君は気を失ったのです」
「えっ……?」
「先生を呼んで、ここまで担いで来て頂きました」
「そうなんだ」
「岡部君、私のせいですよね。本当にごめんなさい……」
「あ、いやそんな。楠ノ木さんは悪くないから大丈夫」
「本当ですか……?」
「もちろん」
「本当に……?」
「気にしないで」
「それでは」
「「第九問です」」
「ああ、だと思いましたー!」
「そこまでして、私の問いを心待ちにしてくださっていたなんて……!」
「もうそれでいいや……」
「では次のようにカウントダウンする度に、私の顔が岡部君に段々と近づいていきます」
「へ?」
「0になる前に岡部君が今何を思っているのか、お答えください」
「え、待って」
「残り時間は3秒です」
「え、え、はい?」
「3」
「……か」
「2」
「かわっ」
「1」
「楠ノ木さんは、かわい」「0」
「おや。休み時間が終わってしまいましたね。では岡部君、戻りましょう」
「え、あ、うん……」
「どうかされましたか? さあ急いでくださいね」
「あ、はい……」
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