第六問

「岡部君、おはようございます」


「楠ノ木さん。あれ、何でこんなところに?」


「今日から挨拶週間なのを忘れていませんか?」


「あ、そうか。楠ノ木さんって」


「そうです。私、生徒会役員なのです」


「じゃあ、頑張ってね」


「では張り切って、第六問いってみましょう」


「はい……」


「それでは生徒手帳の。あ、私ので結構です。この項の一つ目を読み上げてください」


「どうして今読み上げを」


「いいから手早くしてください。人生における時間は有限、待ってはくれませんよ」


「ええ……『生徒会、役員の、楠ノ木、彩姫は』」


「もっとスピーディーに、黙って焦って落ち着いてジェットコースターのように読んでください」


「どういう状況なのそれ。えー、なになに『生徒会役員の楠ノ木彩姫はかわい』……? 何ですかこれ」


「限りなく惜しい!」


「何で地団駄踏んだの。あれ、これ自分で作ったとかじゃないよね?」


「まさかまさか。ではこちらに返却頂けますか?」


「まだ何かあったり?」


「ありませんよ。もう結構ですので早く行ってください」


**


「楠ノ木さん、一体何を企んでるのやら……」

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