C2 出会い。

あれから一日がたった。


「さてさて、ガソリンの生成に取り掛かろうかな。」


科学室から廊下に言葉が漏れる。その言葉を発したのは柳田千明、高校一年生。この科学部の部長だ。


「相変わらず意味のわからんことをやろうとするなぁ千明は!!!」


この新登場の男は矢那瀬カイ(やなせかい)、柳田千明の中のいい友人だ。


「てかガソリンは石油から作るんじゃないのか?」

「その石油から出来てるのがプラスチックだ、まぁ石油からじゃなくてもできるがな。」

「そうなのか!全くわからん!」

「ゆうと思ったぞ、めんどくせぇから一ミリたりとも説明しねぇ。」

「わっはっは!俺は雑アタマだからな!体力だけなら自身があるんだがな。」

「なんで科学部入ったんだよ。」

「お前がいるからに決まっているじゃないか!」

「いちいち、めんどくせぇことを考える。自分の得意なもんよやりゃいいのによ。」

「俺は運動部に入るつもりはなかったからな!バレー部に入ろうとは思ったが気が変わってしまってな!」

「意味のわからねぇ野郎だ。」


話しながらも実験の手を止めない千明、こんなことは朝飯前と言わんばかりに実験の手を進めている。その科学室の前でこれまでの話を聞いていた女子生徒がいた。


「きょ、今日こそ柳田くんに告白するぞ...!」


この女子生徒は昨日男子生徒の告白を断った志摩瀬名だ。彼女は、まぁ、柳田千明のことが好きらしい。ただの変人である。


「あ...?」

「え?」


ここで科学室を出ようとした千明と千明から目を離していた瀬名が扉の前で鉢合わせてしまう。こんな事があっていいの?


「お前は確か、昨日春樹をおもいっきし振った女子か。」

「えっと...その...。」

「で?科学室(ここ)になんの用だ?」

「えっと...柳田くんに用があってきたの...。」

「俺に用だって?何の用事があるんだ?」

「えっとぉ...じ、実は...柳田くんのことが好きなの...。」

「あ...?」


いきなりの告白、こんな状況での告白はなかなかびっくりするけど...この先どうなっていくのやら。

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