高校生科学者が惚れられる。
ナギさん
C1 惚れられる。
「ぼ、僕と...僕と付き合ってください!」
そんな声がこだまする。
「無理です、帰ります。」
彼女はとある工業高校生、志摩瀬奈(しま せな)、まぁ工業高校なら女子に飢えている男子高校生などあほほどいるわけで告白されるのは日常である、知らんけど。
「クソめんどくせぇ現場に居合わせたか。」
(なんでこんな場面に出くわしちまうかなぁ、俺は。)
「ま、どうでもいいや」
告白現場に居合わせたこの男、柳田千明、彼女いない歴=年齢の男だ。
(女とか興味ねぇからな、恋愛は合理的とは程遠いトラブルの種だ。)
とまぁ、この主人公、科学しか興味のないやつ。いわゆるひねくれものである。実は意外とモテる。フザケヤガッテ。
「...お前、見てたのか?」
そうさっき告白し、玉砕した男子高校生、草里無私(ぞうりむし)、彼は今までで一人も彼女ができたことがない。いわゆる彼女いない歴=年齢の男だ。
(草里無私じゃねぇ!椎名春樹だ)
どうやら名前が違ったらしい、椎名春樹(しいなはるき)という名前だったようだ。
「俺は興味ねぇ、そんなことをしてる暇あったら研究するわ。」
「お前そういうやつだったな、そういえば...。」
「今はプラスチックからガソリンを抽出してるところだ。」
「...?」
「プラスチックの構造考えろ、ガソリンに炭化水素ぶった切ってるだけだ、意外と簡単にできる、分かんだろ。」
「いやわからねぇから。」
実はこの柳田千明、科学知識、雑学、大量の知識を蓄えている。
「俺は部室に戻るぞ、あとお前もさっさと部室にこい、幽霊部員判定になるぞ。」
「っち、わあったよ。だが...。」
「あ?」
「今日はまじで帰らせてくれ...。」
「めちゃめちゃ振られてたからな。ま、今日は帰って情緒を回復させろ。」
「なんだかんだ優しいな。」
「...さっさと帰れ」
このお話はただの工業高校生である柳田千明が惚れられるお話。
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