第42話 おまけ話 「ワンニャンな許嫁」➁
✽まえがき✽
34話目「飼い猫との和解」すぐ後ぐらいの話になります。
✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽
U^ェ^U『ワンニャン日和』(=^・・^=)
〜前回までのあらすじ〜
やんちゃな子犬ハチを飼っているお家に、保護された仔猫のマロがやって来てから一週間…。
あれから二匹は仲良くなったのでしょうか?
ダダッ!
『クウンクウン♡』
『ビックウ…!ニャ、ニャー…。||||』
サトウさん(飼い主)
『ホラ、ハチ。マロちゃん怖がってるから、しつこくしないであげてね?』
ナレーション
『ハチくんはすっかりマロちゃんを気に入り、近付いていきますが、マロちゃんは怖がって後退りしていますねー。
サトウさんが窘めるものの、なかなか気持ちを抑えられないみたいです。』
ガバッ!!
『ワフンッ!!♡♡』
『ニャアアアンッ!! ||||』
サトウさん『あっ!ハチ!!』
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「あらららー。」
「ん?また、この間見てた動物の番組見てんのか?」
「あ、浩史郎先輩。」
口に片手を当てて、テレビの画面に食い付いているりんごに、声をかけると、りんごは画面を指差してふふっと笑った。
「はい。この間も出て来た犬のハチくん、新しくお家にやってきた仔猫のマロちゃんと仲良くしたくて、事あるごとにアプローチしていくんですけど、勢いあまって、マロちゃんにヤンチャし過ぎちゃっていつも飼い主さんに怒られちゃうの。」
テレビの画面を見ると、大きな犬が、仔猫を押し倒すようにしてペロペロ顔や体を舐めまくっていた。
当の仔猫は、怖さのあまり固まっているようだった。何度か身をよじって逃れようとしているが、犬に押さえつけられ、びくともしないようだった。
その場にいた飼い主に、コラッと叱られ、大きな犬はやっと仔猫を離すと、仔猫はたたーっと大急ぎで逃げて行った。
犬はそれをもの寂しげに見送ると、明らかにしゅんとしていた。
「ふっ、ふふふっ。この残念そうなワンちゃんの表情、可愛すぎて、ホント笑っちゃうでしょう?」
「ごめん。俺なんかソレ笑えない…。」
つい先日、りんごのお腹に口付けて吹くというやんちゃをやらかし、逃げられたばかりの俺にはその犬の境遇が他人事…いや、他犬事とは思えず、顔を引き攣らせた。
「えー。なんでですかぁ?こんなに可愛いのに!ホラ、見てあのワンちゃんの下がり眉!ふっ、ふふっ。可愛い〜。アハハハっ。」
りんごはそんな俺の気も知らず、飼い主に怒られ情けない表情をした犬が画面に映っているのを見て、涙を流して笑っていた。
俺は密かに小さなため息をついた。
*あとがき*
いつも読んで頂き、フォローや、応援、評価下さって本当にありがとうございます
m(_ _)m
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