第20話 М先輩の駆け込み訴え
「Мさん。泣いてばかりでは、よく分からないわ。落ち着いて話してみて。」
「ううっ。それが…。風紀委員長。聞いてください。あの女はひどい奴なんです。本当にひどい奴なんです。
私がずっと片想いをしていた里見くんに、想いをしたためた手紙を渡そうと決心したその日にー。
よりによって、その日に。あの女は里見くんの隣に座って仲睦まじくお弁当を食べていたんです。
しかも、二人のお弁当の内容は全く同じでした。きっとあの女が図々しく手作り弁当を押し付けたに違いありません。里見くんは、あの女の作った唐揚げを美味しいと言って…。わあぁっ。」
「泣かないで。Mさん。あなたの悔しい気持ちはよく分かりました。確かにそれは校内の風紀を乱すものといっていいでしょう。安心なさって。調査の上、私からその女生徒に厳重に注意しておきますね。」
「あ、ありがとうございます。」
「だけどね、Mさん。あなた、風紀委員から生徒会に要望を出そうとしている方針はご存知よね?」
「えっ。あっ…!!」
「そう。「校内の恋愛禁止」まさか、風紀委員の一員ともあろう人が、その方針を破ってラブレターを渡そうなんて、愚行を犯そうとするなんて、思わなかったわ。違反者には相応の罰を与えねばなりませんね。」
「こ、これは、そのっ。も、申し訳ありません!!風紀委員長、お許し下さい!!」
「ごめんですんだら、風紀委員はいらないのよ?桜井!友田!」
「「はいっ。」」
「や、やめてっ。お願い。
ぎゃああああぁーっ。」
*あとがき*
いつも読んで頂き、フォローや、応援、評価下さって本当にありがとうございます
m(_ _)m
21話も同時投稿していますので、そちらもよろしくお願いします。
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