take・77
おっと・・・、コイツも一応思考という概念を持ち合わせているのか。
今までの言動から察するに、常に感覚で動いているものとばかり思っていたのだがそうでは無いらしい。あ、でもさっきから普通に会話していたか・・・。していたか?いかん、俺までもアホになってきてしまったようだ。
「じゅ・・・、じゅう・・・、にじゅうにん・・・?」
学習塾から追いだされそうなくらい頭悪そうだなコイツ。
「嘘に決まってんだろ嘘に」
「ホント⁉」
「俺がそんなウザいナンパ男に見えるか?」
「う~ん・・・、じゃあ・・・、さ・・・、ウチと・・・、付き合ってよ・・・」
「は?」
アホが真剣に俺を見つめている。アホでも可愛さは一流だ。その破壊力たるや、想像を遥かに上回る。そして押し寄せる二つの荒波に揉まれ、俺は揉み返して抵抗せざるを得なかった。
「ほ、ほぁわぁ~⁉な⁉何するんのよ~‼」
「お前が急に来たんだ。揉むしかないだろ」
「そういうのは始めに言ってくれないとビックリするじゃん‼で・・・、どうだった・・・?好き?」
「柔らかくて揉み甲斐があった」
「よかったぁ~・・・。これで両想いだね。やっぱりヨッくんが一番・・・、だね♡」
「何が?」
単純だとか単純じゃないとか、この女の思考回路はそこらの一般人のそれとは訳が違うらしい。
「付き合ってくれるんでしょ?」
「いや、違うけど」
「何で?」
いつの間にか俺が聞かれる側になっているのだが・・・。まさか俺は胸と付き合う事になった、という事だろうか・・・?
「ヨッくん以外無理だもん。離さないもん‼」
「俺はお前の言葉にOKした訳じゃないぞ。胸を揉んだ感想を聞かれたからそれに答えただけだ」
「好きって言ったじゃん‼」
「どうだったか聞かれたから揉み甲斐があったって言っただけだ‼」
「うへぇ~ん・・・、意地悪ぅ~・・・」
何故か泣き出すアホ。既に一人、アホを相手に日々過ごしているので免疫はあるが、アレとは違う武器を使ってくるので対応に困る。またくっ付かれたりしたら、俺の男の部分がトゥンクしてしまうかもしれない。
「分かった、こうしよう。お前は俺といたい、そして俺は人手が欲しい。よって、俺のクラブにお前が入るのが賢明と見た。異論はあるか?」
この馬鹿なら、蜜鎖を適度に中和してくれる変態第二号として活躍してくれるかもしれない。しかも体力だけはありそうなので一応手中に収めておく。
「よく分かんない‼けど入る‼」
「よし、交渉成立だな」
湯川を探しに行ったら、まさかの新入部員をゲットしてしまった。
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