take・60

「一応・・・、一件落着なのか・・・?それはいいとして、何で湯川もビキニなんだよ⁉」

「え?田中丸君はこれの方がいいかなぁ~って思ったから」


無言でビキニを引き千切りたくなるような、世の男性大喜びの可愛いセリフをお吐きになった湯川さんを先程まで余裕だったド変態が見逃す訳も無い・・・。


「見るからに、聞くからに痴女っ気たっぷりの湯川栞さん?貴方、もしかして私から善樹君を奪おうなんて、愚かな行いをしようとはしてないでしょうね?やめた方がいいわ。貴方自身を深く、強く、最早自ら命を絶ちたくなってしまう程に・・・、傷付けるだけよ」


今日は本当に良く喋るなこの女は。

まるで「何を言っているのかさっぱり何ですけど~」と言わんばかりのフリーズ具合で、湯川は五秒程ジッと蜜鎖を見つめると・・・。


「まぁ、いつもお世話になってますし、私がしてあげられることなんてこれくらいですから」


なんかいい事風な事を言って去っていった。てかいい奴だ。もっと見せてくれ。

その格好で部活に来てくれ。


「中々食えない女みたいね湯川さん。善樹君、注意しておきなさい」


軽く無視をして、俺もプールに足を入れる。

しかしそこは、プールと言っていいか微妙、と言えるレベルにも到達していない、ただただ汚い、なんか・・・、なんか汚い所でした。


「おい善樹、落ちないぞ汚れ」

「俺に言われても・・・」


とにかくゴミやヘドロのような汚れ達が、辺りを覆いつくしている。

プールサイドですら、砂や葉っぱが散乱し、見るからに汚い。


「まずはさ、砂とか葉っぱとか、ゴミをどかそうよ。水を使うのはそれからで」


そこに、湯川という天才が・・・、佇んで何もしていなかった。

言葉だけ発して、ゴミと戯れていた。これから彼女の事は、ガ○レオと呼ぶ事とする。


「じゃあ、折角意見も出してくれた事だし、それでいきましょう。ね?善樹君?」


俺に勢いよく乳を揺らして振り返る蜜鎖さん。俺はいいと思うぞ。


「おい、いちいちその駄肉を揺らすな。目障りだ」

「断崖の世代は黙ってなさい」


なんか違わない・・・?


「それ、ちゃんと絶壁を付けないと分かりにくく・・・」

「しっかり言わなくていいからな栞⁉」


皆元気になってきたようなので、掃除を始めるとしよう。



「あっちの方が沢山あるみたいだけど、あっち手伝わなくていいの?」

「ああ」

「何?」

「ああ」

「すっごい・・・、見てるね」

「ああ」


もう俺はなんと思われてもいい。

夏、これこそがそれだと心に決めて、俺は目の前の一点、いや二点を見つめる。

見つめ続ける。たわわに実ったジューシーな極上の果実を、俺はこの目でしっかりと堪能するのである。


「えっち」

「ありがとう」

「いつもそれくらい真剣に仕事してくれればいいのにね」


・・・・・・、聞かなかった事にしよう。

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