ヒミツキチ～一途な恋と安全率～

take・４２

「という訳で」

「何で呼ばれたのか分かる？田中丸君」

「・・・・・・、そのウザい小学校の先生みたいな喋り方やめてもらっていいすか？」

「何で今から文句言われる奴から先に文句を頂戴しなきゃいけないんだよ」

「それは・・・、そちらが悪い・・・」

「おい、湯川さん文句言われてるぞ」

「そういう態度取ってると、もう協力しないよ？」

お、怒り方優しいな・・・。

「おい、今何かキモい顔してたぞ」

「いや別に」

い、いかん。ついいつものヤバい女性陣達とのギャップに喜びを見出してしまっていた。このよく分からない危機的状況をいち早く打開せねば・・・。どうしよう。

「女の子がさ、「今はダメ」って言ってるんだからさ、しかもあの場所から言ってるんだからさ、少しは気を遣うとかさ、他の女の子に任せるとか、直ぐに思いつくと思うんだけどな」

「いや、だから、適度な声掛けと気遣い・・・は・・・、したつもりなのですが・・・」

「あれが？」

ちょっとキレてる顔が良い感じに可愛いな・・・。

「お前、女の子にはなぁ、色々とデリケートな部分ってのが多いんだよ。分かれアホ」

コイツは・・・、何かムカつくな。

「だからね、田中丸君。気にしてくれるのは嬉しいんだけど・・・、あまりにもストレート過ぎるっていうか、それに返答するこっちに身にもなってほしいというか、もう少し客観的に考えて言葉を選んでほしかったかな」

成程・・・、確かに思いつくままに言葉を発していたかもしれんな。

「別にお前にただムカついている訳じゃねぇんだよ。もう少しそういう意味で気を回せるように努力してくれって言ってんだよ」

ヴィ。

「はい、すいませんでした。以後気を付けます」

「うん。私からはそれだけ。ごめんね、何か、泊めてもらってる側なのに」

「いや、俺こそ、悪かったよ。確かに、変な質問ばっかだったよな」

「まぁ・・・、うん」

「ははは・・・」

「・・・・・・」

こんな時、ウェイ系は何を話すのだろうか。

ティーン達とどんな会話を繰り広げるのだろうか・・・。誰か助けてくれ。

ウチにはあと一人いるが、脳がまだあまり通っていない可哀想な幼女しかいない。誰か助けてくれ。

「何か・・・、善樹。今何を考えてた？」

「早生に指摘された部分を踏まえて、これからの付き合い方について深く考えていた」

「そんな、あんまり深く考え過ぎなくていいと思うよ」

「甘いな湯川さん。この男、さっきからアタシ達の言ってる事、ロクに頭に入ってないぞ」

珍しく冴えてるじゃないか可哀想な幼女。

「一回ブッ飛ばすか」

「すぐそうやって暴力で会話しようとするからバイトをクビになるんだぞ」

「黙れ‼アタシがいつそんな理由でクビになったんだよ⁉

　つーか、アタシバイトしたこと無いし」

「ほら、不採用って事だろ？」

「お前、マジで体中の穴という穴を全部繋げるぞ？」

「ほんと、二人共仲良いよね」

「「どこが⁉」」

「そういうとこ」

湯川の笑顔に場は制圧され、今回はヌルっとした幕引きとなったが、俺はこの後夜中にしっかりと、早生の踵落としで深夜三時に起床することとなった・・・。

早く寝ろ・・・。