take・32
「まさか、身近に社長令嬢が二人もいるとは・・・」
「本当、贅沢な彼氏ね。そんな二人を手玉に取ってるんだから」
「そんなつもり全くございませんのだけれど・・・」
「あらあら、私をこんなにめちゃくちゃにしておいてよくそんな事がいえるわね」
「マジで何もしてないんだけど・・・」
「これからどう責任を取ってもらおうかしら・・・、じゃあ、まずは、今日は私と一緒のベッドで寝てもらおうかしら。あ、ちゃんと一緒に寝るのよ♡ちゃんと寄り添って抱き合って寝るの♡」
「もうカップルじゃんそれ」
「え?だってカップルじゃん」
「俺はまだ(仮)だぞ」
「そんな・・・、やっぱり、私の事、嫌いなの?」
「何回言うんですかそれ」
「しっかり気持ちは口に出してくれないと嫌なの‼」
「好き・・・、だけど・・・、そういう好きじゃない・・・、まだ・・・」
「可愛いから許すわ。ズルいわ・・・、善樹君たら・・・、ちょっと、濡れちゃった♡」
とてつもなく何と言っていいか分からない・・・。
色々と話した後は、食事を適当に平らげ、蜜鎖に歯磨きをされ(強制)、いざ、就寝の時・・・。
「そういえばあっさりと話が過ぎて行ったが、蜜鎖、金持ちだったんだな」
「だって、別にアピールするものじゃないでしょ?変にそういう目で見られるの嫌いなのよ。ていうか善樹君、一度家に遊びに来たじゃない」
「あ~、あの豪邸か・・・。いや、遊びに行ったんじゃなくてお前んちの誰かさん達に連行されたんだよ‼」
「あら、そうだったかしら?ちなみにあの人達は、私の家の私専属のSPよ」
何か、住んでる次元が違うみたいだぜ・・・。あ、世界か。
「善樹君」
「ん?」
「ありがとうね」
「何だよ急に」
「私のわがままにいつも付き合ってくれて」
「別に、早生よりかはうるさくないし、物理攻撃無いし、大丈夫だよ」
「そう・・・。私、あと三年くらいしか生きられないの・・・。嘘よ」
「もうそれは何がどうしたいのか分からん・・・」
「だから、善樹君はちゃんと私の相手をしてくれるから、とっても嬉しいのよ」
「どうしたんだよ?何か良く分からんぞ」
「寝よ♡どっちがいい?抱きしめるのと抱きしめられるの」
「え・・・、み、蜜鎖の好きな方でいいよ・・・。ていうか、何で本当にくっ付いて寝る方向になってるんだよ‼」
「じゃあ、ギュって・・・、してくれる?」
「ッッッ‼しょ、しょうがねぇなぁ・・・」
初めて、女の子を正面から抱きしめて眠る。こんなこと、やってる奴がこの世に何人いるのだろうか・・・。ヤった後のカップルでもやらなそうだぞこんなこと。最初は緊張で今すぐにでも逃げたかったが、蜜鎖の気持ち良さそうな顔を見ていたら、このままにしておいてあげようと、自然と思えた。そして気づいた時には、俺も眠りに落ちていた。
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