take・24

「で、そこの湯川さんとやらは、本当に入部希望なのか?」

「ど、どうなんですか?」

「え~っと、一応まだ見学って形で・・・」

「それなら残念だったわね善樹君」

「何故?」

「それは今から行われる私達の営みに凄まじく嫉妬し、今までの自らの愚行に嘆き、吐き気を催し、自ら命を絶つこと決意し、儚く無様に散っていくからよ」

「多分お前の汚さに吐き気を催して終わるだけだと思うぞ。既に若干引いてるし」

「そんな部活なんですか?」

「湯川さんって、意外と素直なんですね。でも、一つだけ言わせて下さい。この変人の言う事を一つでも信じたら流石の俺も怒りますよ」

「ちょっとそれ酷いわよ善樹君⁉」

「いやさっきから俺に対しても湯川さんに対しても酷いでしょ蜜鎖さん‼」

「酷いわ酷いわ・・・、もうお嫁に行けない・・・、善樹君に責任取って貰うしか・・・」


少しは自分を客観的に見やがれこの女は・・・。信じているのか信じていないのか全く分からないが、先程から湯川さんは黙ったままになっている。頼むからお払い箱のド変態集団とか思わないでくれ・・・、変態は一人だけだよ・・・。


「それで、何で湯川さんはこのクラブに?」

「先生に部活には絶対入らなきゃいけないって言われて・・・」

「それで?」

「特に運動も出来ないし、目立つ事も得意じゃないので、何かオススメありませんかと先生に聞いたら・・・」

「ほう」

「それならとっても素敵な男の子がいる新しい部活があるわよって言われて・・・」

あのアホの言う事をそのまま信じちゃったんだねキミは・・・。

「それで、とっても素敵な男の子って言うのは・・・」

「残念ながらここで男性器を持ち合わせているのはそこの男だけよ」

もう誰かそこの問題児を黙らせといてくれ。一週間くらい。

「まぁ、そういう事になりますねぇ~、はははは」

「はは・・・、ははは」

「おい、誰が処理するんだよこの空気‼」


分かり切った事じゃないですか、もう貴方しかいませんよ早生さん。


「柿沢先生が言っていた事に関してはあまり気にしないで頂いて、この屋内活動クラブというのは、俺がついこの間作ったクラブで、まだ特にこれといった活動はしていないんですよ」

「そうなんですか・・・」

「そう、だから、今後何をしていくかを今考えていたわけさ」

「なるほど」

「まぁ、簡単に言うと、コイツが何もしたくないから何もしなくてもバレない部活を作ったってわけだよ」

「おい、真の活動方針を早速ばらすな」

「え?」

「いやいや違いますよ真面目ですよ至って真面目です。ボランティア活動だったり、行事の手伝い何かをやっていこうかなぁ~、なんてしっかり考えてますよ、ねぇ、早生さん」

「その男は女の事しか考えて無いわよ」

もうマジで喋らないでくれ・・・。

「じゃあ、入部で」

「「「‼」」」

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