take・19
「あ‼い、今のは、別に、その・・・」
「触りたいのなら私のを存分に触らせてあげるわよ善樹君」
「は?」
この部屋には元々俺しかいなかった。当然だ、俺の部屋なのだから。そして、そこに早生が一緒に寝ようと入ってきた。これで人数は二人になったということだ。だがしかし、ここでその二人以外の、謎の声が、どこからか聞こえてきたのである。俺と早生は二人顔を見合わせる。まさか幽霊?はたまた幻聴か?謎の勢力が攻め込んだりしてきているのだろうか?でも、流石に攻撃手段として相手に胸を揉ませるというのは一体どのような考えがあってのモノなのだろうか・・・。
「さっきから背中にしっかり胸を押し付けて、耳に息までかけてるっていうのに・・・、なかなかしぶといわね善樹君?」
「勘弁して下さい蜜鎖さん」
「何でアンタが?一体いつから・・・」
「善樹君がこの部屋に入ってきた時点でいたわ」
「もうアンタ犯罪者だよ・・・」
「貴方こそ胸揉んでほしいとか初めてを貰ってほしいとか言ってたじゃない。この痴女ガキ」
「べ、別にアタシは昔みたいに一緒に寝るのもたまにはいいかなぁ~って思っただけよ‼そんなアンタみたいに発情期のメスザルみたいなこと考えねぇよ‼」
「もう夜中だっていうのに本当にやかましいわねこの子は。ほら、お子様は早くトイレに行って寝なさい。あ、オムツは忘れないようにね」
「んだとコラァ‼」
「あの・・・、あのさ」
「なぁに?善樹君」
「寝たい」
「あらあら可哀想に。こんなやかましい小娘にうなされて安眠出来ないなんてさぞつらいでしょうね。ほら、私を抱き枕にゆっくり眠っていいのよ善樹君」
もう何でも良くなってきた。今すぐにでもこの世界から一時退却したい。
「もういいよ‼一人で寝る‼」
早生は怒って、俺の枕を持って出て行ってしまった。俺の枕・・・。
「おい、そしたら蜜鎖も今日は自分のベッドで寝てくれないか?今日は俺ちょっと疲れたんだよ・・・」
「・・・・・・」
何故か既にこっちが寝ていた・・・。
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