take・13
第三章
「え~と~、この学校では、生徒全員が部活に所属する決まりになってるんだけど、知ってた?」
相変わらず自称不思議ちゃんみたいな喋り方でムカつくなこの先生は。
「知らないです。そして部活には一切興味ありません」
「え~、そんな事言わないでさ~、みんなと一緒に汗流してさ~、そこに私がタオルとスポドリ持ってく~、みたいなの青春っぽくって良くない?私で良かったら善樹君の専属マネージャーに」
「興味ありません」
「夜になったらマッサージとか」
「バイトで忙しいので無理です」
コイツちゃっかり夜に俺の家来ようとしてないか?。
「え?ウチの学校バイト禁止だよ」
「···」
「···?」
「すいません嘘です」
「ホントに?」
「はい、冗談ですよ。はははははは」
非常にヤバいぜ田中丸善樹。こういう時だけ勘が良かったりするんだぜこういう奴は。
「ふ~ん、そ~なんだぁ~、そっかぁ~、じゃあ部活何部にす・る?」
「いや~、何がいいかなぁ~、ははは」
誰か斧とか持ってきてくれ。今すぐ目の前の女を亡き者としたい。
「私部、とか?」
「いよいよバカですか?」
「もうヤダ!善樹君のエッチ♡」
「・・・・・・」
大丈夫かなこの人。
「本当に絶対に入らなきゃダメなんですか?」
「う~ん、そういう決まりなんだよね~。校則ってやつ?で決められちゃってるんからさ~」
こんな下らない形でバイトを断念などしたくはない。絶対隠れてやってるやついるからなこの野郎。だがここでバレてバイトを辞めさせられるよりかは、何か適当な部活に入り、アホ教師と適度に付き合っておけば、黙っておいてくれそうな気もする。
考える俺。
それをモジモジしながら見ている教師・柿沢悠紀。(ちょっと忘れてきてたからフルネームで)
「あ!」
「え!なになに!」
「部活作るのって、有りですか?」
「へ?」
「だから、この俺自身が部活もしくは同好会的なものを作り、それをやっていくというのは有りですかと聞いているんです」
「そ、それはちょっと上に聞いてみないとわからないわね~」
「いいでしょう」
「「‼」」
だ、誰だこのおっさんは。いかにもなバーコードと眼鏡という見た目からは全くと言っていいほどかけ離れた期待外れなただのおじさん風な・・・、多分校長である。
「いかにも、校長だ」
「存じております」
先生、その返しは逆に馬鹿にしていると思うよ。
「いいでしょうとは、一体どういう事でしょうか?」
「だからそのままの意味です。その申し出を受け入れましょうということです。いいでしょう」
何故もう一回言った⁉
「ほ、本当ですか校長先生⁉」
「いいでしょう」
「やったね善樹君‼これで私との愛の巣が」
「よっし‼早速準備に取り掛かるぜ」
「あの、善樹君‼私は何をすればいいかな?」
「それじゃ‼」
「あ・・・、うぅ~、善樹くぅ~ん。あ、もしかして私と部室で二人っきりになるのがまだ恥ずかしいのかなぁ?ふふ、やっぱり善樹君って可愛いなぁ~」
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