take・11
私は昔からそうだった。好きな人には意地悪をしてしまう。
両親にもよく悪戯をした。でも両親は笑って許してくれた。「こんな事よく考えたなぁ」なんて、褒めてもくれた。私は、これでいいんだと思った。
でも、それは全くの間違いだった。
クラスのみんなも、先生も、許してくれなかった。怒られた。徐々に嫌われていった。最初は何だかわからなくて、とても悲しかった。私はただ、仲良くなりたかっただけなのに。一緒に遊びたかっただけなのに。でも、言葉にするのは恥ずかしくて、勇気が無くて、私にはとても難しかった。だから、みんなの気を引くための、話しかけてもらうためのきっかけ作りのつもりだったのに。
私は、独りぼっちになった。
休み時間も、教室で一人で読書をしていた。そうするしかなかった。誰も話を聞いてくれない、誰にも話せない。だって全部私が悪いのだから。今まで以上に話すのが苦手になった。無口でいる事が多くなった。
そんなある日、学校にノートを忘れた。お気に入りの、紫の花柄のノート。おそらく移動教室にそのままおいてきてしまったのだ。最後の授業はいつもは使わない二階の一番東側の教室。たまに裁縫の授業で使っていて、私はどんな授業にもノートは持って行っていたので、その日も、ノートを持って行っていた。急いで教室へ辿り着くと、そこには先客がいた。隣のクラスの話したことのない男子。何か思いつめた表情で、私のノートに書きこんでいた。何行か書くと、ノートを机の引き出しに戻して、勢いよく教室から出て行った。私は、徐々に小さくなっていく彼の後ろ姿を、不思議とずっと見ていた。
「あの時から、あの時からずっと‼、私は・・・、貴方の事を・・・」
棕櫚は泣いていた。床に押し倒した俺に馬乗りになって、制服のシャツを強く掴んだまま、棕櫚は細かく肩を震わせていた。
「お、おい、棕櫚?」
「好き、好きなんだから・・・。わかってよ・・・」
「わかった、わかったから、泣くなって」
「じゃあ、どれだけわかったか理解度テストしていい?」
「テスト?」
「今から私は善樹君にキスをします。普通のキスで終わったら十%、舌をいやらしく使ったら三十%、更に長く回数を繰り返したら五十%、私の耳や首筋にまでいったら八十五%、善樹君のアレを私のアソコに無理やり激しくねじ込んで私をいつまでも離さずに自らの欲望に素直になれたら百%よ。お分かり?じゃあ、いくわよ・・・、んん・・・」
「ちょっと待てお前絶対ウソ泣きかつ完全に今を楽しんでるだろ」
「ちょっと、何で逃げるの?」
「何でって、今お前とキスをする必要性を感じないからだ‼、クソ‼、一旦降りろ‼」
「何?私が重いとでも言いたいの?」
「そういう訳では無いが・・・、まぁ、別の意味では重いがな・・・」
純粋にこの体勢がつらいのとちょっと男的にきつい。いや、いかん‼そんな「騎○位みたいだから」なんて考えを持ってしまっている時点でとてもいかん‼今はこの状況をどうにかして打開せねばならん・・・。
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