take・2

「で、どうなんだよ、こっちは?」

「どうって、何が?」

「何がって、久しぶりに帰ってきて、何か思うことないのかよ」

「とくには。お前ん家に遊びには来てたし」

「で、でも毎日過ごすってなったら少しは違うだろ」

「たとえば?」

「た、たとえばって・・・、毎日アタシと会える・・・とか?」

「う~ん、まぁ確かに嬉しいっちゃ嬉しいか」

「え!?ホ、ホントか!?」

「あ、あぁ。どうした急に」

「いや・・・、べ、別に何でもない」

なーに可愛い女の子みたいな顔してんだこいつ。ちょっとモジモジしやがって、漏れそうなんか?


「き、綺麗な部屋だよな~」

「まだ何もしてないからな」

「あ、そそそそうか~、ははは」

「どうしたお前。頭おかしいぞ。あ、今に始まった事じゃないか。すまん」

「ド突き回してミンチにすんぞ」

それを行ってる光景見てみたいわ。試しにさっきコンビニの帰りにぶつかってきた自称ヤンキーみたいな奴にやってみてくれ。


「そうだよ」

「何がだよ」

「手伝ってやるよ」

「何をだよ」

「荷ほどきってやつだよ」

こいつ俺の荷ほどきを手伝うだと・・・。このイッパシの高校生の私物をいとも簡単に漁ろうというのか・・・。


「マジで言ってんの?」

「そーだよ。何か変か?」

「いや・・・、何というか・・・、大丈夫ですよ一人で出来ますよ子供じゃないですよ大丈夫ですよ」

「全力で駆け抜けたなお前。ほほぉ、まさかとは思うが・・・、見られてはならないとぉ~っても大事なモノでも入っているのかな?」

「ま、まぁそんな?とこかな?」

「エロ本だな」

「違う」

「何故即答なのか聞かせてもらおうか」

何故即答なのかってなんだよ!?違うから違うで何かおかしいのか!?


「間違っているのを訂正して何が悪い」

「いや、即答したところから察するに、必死に隠そうとしているように感じたので、アタシに見られてマズいもの、女に見られてマズいもの、可愛い幼馴染の女の子に見られるとひじょ~にマズいもの、即ちエロ本を隠し持っているんじゃないかと思っただけさ」

「安直だな全く。男子高生が女に見られたくないもの=エロ本とは・・・、実に下らないな。ならば試しに聞いてみるとしよう。もし、俺が本当にエロ本を所持しているとしたら貴様はどうする?」

王者の風格を見せつける事により、場を制圧し話題を終了させる。この俺という知将だからこそ成せる技である。


「そ、それは・・・、えと・・・その・・・」

あ、あれぇ~・・・、思ってた反応と全然違~う。なんか顔無駄に赤くしてるし。またモジモジしてるし。漏れそうなんか?


「まぁ一冊も持ってませんけどね。残念でした」

「どんなのが好みなのか・・・、一応チェックしておきたいというか・・・、その、出来れば参考にさせてもらいたいというか・・・」

「え?・・・」

「は!?いや・・・、えっと・・・、今のは違くて!あの!えっと!だから将来の為にね!」

「将来の何の為にですか?・・・」

「ぶっ殺すに決まってんだろうがッッッ!!!」

ホガァァァッッッ!!!


天高く舞い上がり弧を描いたその姿は、体操・床のH難度レベルの大技で、それはそれは美しく誰もが見惚れるようだった。そして、背中から激しく、力強く着地を決めた。

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