第143話大会決勝戦5

『……では他社の方からの質疑応答の時間になりましたので時間の許す限りどうぞ』


『週刊ダンジョン通信の伊藤です。ネット上で、“加藤選手が豊橋ダンジョンで起きた騒動に関わっている”という言説がありますが本当でしょうか?』


「えーっと具体的にお聞きしても?」


『スタンピード騒ぎについてです』


あーあれか、良かった。犯罪者を捕まえた方はバレていないようだ。


「足を挫いて逃げ遅れたを助けたことはありますが……」


 俺が答えると記者やレポーターがどっと沸いた。


『ダンジョン内で犯罪者を捕まえたという話や、大学生を助けたという話もありますが……』


全部ばれてらー


「その件については……」


 俺は立花さんと話し合って予め決めていた回答を述べる。


「やはり噂は本当だったんだ!」

「一面のスクープだぞ!」


 などとおっさん達は騒いでいる。

 まぁただのモブだと思っていたいた奴が実は凄い奴だったんだ……っていうギャップがいいのだろう。


『今日の昼食は何をたべましたか?』


 藤井〇太とかのインタビューで聞いたことがあるテンプレ質問の一つだ。


「外出が難しいので出前を取ろうかな? と思ったんですけどアプリの出前って高いし、チェーン店のピザや寿司も重い気がしたのでダンジョンに潜ったときの買い置きで鞄に入っていたカロリーバーと水、後はお菓子ですかね。昼食の代金はタイトル保有数×100円とか言われもアレなんで……」


――――と私的に小粋なジョークを挟む。


『今晩は何を食べる予定ですか?』


「疲れてるので多分コンビニか贅沢にホテルご飯ですかね。まぁ師匠にどっか連れていk……って貰うと思います」


 危ない連れていかれる。と言いかけてしまった。

でも今日ぐらい美味しいものが食べたいという気持ちと、直ぐに横になって寝たいという相反する気持ちが存在している。


『短期間で強くなる秘訣はなんですか?』


「目標を持って戦闘をこなすことと、死にかけることですかね」


『探索者としての装備は何を使われていますか?』


「えーっと少し前までは、有限会社KATANA製のD級武装オニキリカスタムと、バイクのライダースーツの上からYAMADAヤマダ社製のプロテクター一式を着てました。

今は師匠から譲ってもらった探索者スーツにサードパティー製の追加装甲を付けてます。

武器は、刀匠の炭須濃黒すみすまっくろさん打ってもらった野太刀【火薙駆ヒナギク】と打刀【銅滅アカメ】です。スポンサーに名乗り出ていただけるのならロゴを背負うのも吝かではないのでご連絡ください」


――――と商売っ気のある発言をして、ただの好青年ではないんだぞ。とアピールをする。


『優勝賞品の回復薬ポーションはどうされるんですか?』


 例年であれば金に換える者や、恵まれない子供に寄付や寄贈されたりする。

 お涙頂戴的な感動の材料にされることもある優勝賞品。

 大会を運営している番組側としては、金を節約するためなのか? はたまた盛り上げどころを確実に確保するための優勝候補をことごとく打ち破り、台本を破壊した俺から恵まれない子供のために寄付なりとして、回復薬ポーションを手放させたいのだろうが、そうは問屋が卸さない。


「インタビューでも答えましたが、病気の妹のため使います」


『――――ッ!』


 名も知らぬ番組側の司会が息を呑んだ。

 瞬間、頭を振るうと司会が口を開いた。


『是非、そのシーンを取材させていただいても?』


「妹は探索者でもない一般人です。俺の意見で『はい大丈夫です』 なんて、今この場で安請け合いはできませんよ」


 少しギスギスした雰囲気のままインタビューは終わり……


………

……


 カメラの前で優勝トロフィーを掲げる。


『優勝の感想を誰に伝えたいですか?』


「先ずは『勝手にしろ』と言いながら、お金を貸してくれた祖父に感謝を……そして指導をしてくれた立花さんや一緒に戦てくれたパーティーメンバー、親切にしてくれた豊橋ダンジョンの方々とこの大会を通して応援してくれた方々に感謝します。

そして……妹に! 約束通り兄ちゃん回復薬ポーションをゲットしたぞ! お前も約束守れよ!」


 俺は込上げてくる色々な感情をうそで押し込めると精一杯の笑顔でピースしながらカメラに向かって宣言した。


 こうして俺の長い様で短かった。

 29日間の冒険は一端幕を下ろす。


 しかし、一億飛んで六百五十万円の借金を返済する必要がある……加藤光太郎のダンジョンを舞台としたヘルモードな冒険はこれからも続いていく……




============


【あとがき】


 まずは読んでくださり誠にありがとうございます!


※エピローグがまだございますので【完結】ではありません! 10話以内で第三部完ッ!! する予定です。

 ほんとは第一章の末と同じように立花さんとご飯の描写をいれようと思っていたのですが執筆意欲が湧かなかったので次回からエピローグです。

 意欲が湧いたらEXエピソードとして足します。(笑)


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 あとセリフと地の文の改行を1行にするかに行にするかでも悩んでいます。ご意見有ればお気軽にお申し付けください。


 誤字脱字も多い事と思いますが、「コレ違うんじゃね?」と思ったりこっちの表現の方が良いと思う、などありましたらお気軽にコメントを下さい。更新中の作品のコメントは全て目を通しており返信もしておりますので、こういうストーリーがいいなどお気軽にお申し付け下さい。


読者の皆様に、大切なお願いがあります。

少しでも


「面白そう!」


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