ダンジョン攻略六日目1-6
第33話ダンジョン六日目1美味しい肉
昨日の焼肉で家族に怒られた。服の匂いで嫌な顔され、吐く息に顰め面され、挙句に連絡なしだった件を詰められた。
まぁ、
やり場のないムカつきを解消すべく、ソッコーでスライムエリアを駆け抜け、分岐路に辿り着いた。
「よし、今日は右側に行ってみよう! 右はヒト型が少ないって聞いてるけどどうなんだろう?」
いつもは空いているからと左側に向かうが、今日は
左側と違い冒険者とすれ違う。
「こんにちわ」
「どうも」
すれ違う時には挨拶をしているのだが、皆どこか素っ気ない。
何かマナーなどがあるのだろうか?
「お、モンスターいるじゃん」
そこに居たのは、体長1メートルほどの大きなカエルだった。
焦げ茶色をベースに黒い斑模様をしているため、
「トード・シューターか……確か普段の動きは緩慢だけど敵や得物を前にすると動きが早くなるんだっけ……近距離では体当たりとジャンプ攻撃、中距離では長い舌を打ち出して攻撃を行う、ゴブリンよりも強いモンスターだったな」
『ゲロゲロゲロ』
気持ちよさそうに喉を鳴らしている。
刀を鞘を払い臨戦態勢になる。
刀を抜いたことで俺の事を敵と認識したのか、トード・シューターは俺を見据える。
直後、長い舌がまるで槍のように伸びた。
確かに、その速度はなかなかであるが、
身をよじりトード・シューターの長い舌を躱すと、そのまま舌を斬り飛ばし、トード・シューターに向けて走る。
トード・シューターはタックルの体勢を取るがもう遅い。
袈裟斬りに振われた刀により、トード・シューターは鮮血をまき散らす。
「確かトード・シューターの肉は上層に居るモンスターの中ではかなり美味だと聞いている。一応肉も剥ぎ取っておくか……」
可食部位は食用カエルと同様らしい。
解体ナイフを使い、トード・シューターの発達した後ろ足を切り離す。
「あー、アイテムボックスとかマジックバックみたいな、便利系アイテムが心底欲しい……」
そんな事を言っている間に、クルクル巻いてリュックに詰める。
業〇スーパーの100mラップ、マジ便利w
「サポーターとかいれば違うのかな?」
トード・シューターの肉は比較的安価なダンジョン産の食材で、大体の値段は国産の牛肉程度である。
香草のような独特の香りに、魚と鶏肉を合せたような脂の少ない淡白な食材だと聞いている。
今晩か明日にでも食べよう。非常に楽しみだ。
――――――――――――――――――
加藤光太郎
Lv.1
力:B → A
耐久:D → D
技巧:B → B
敏捷:C → C
魔力:G → E
幸運:I
《魔法》
【
・『南無八幡大菩薩』
・詠唱する事で金属に『
・『性質の強化』と、
《スキル》
【禍転じて福と為す】
・障害を打ち破った場合、相応の報酬が与えられる。
・障害が与えられる。また全てのモンスターの戦闘能力が上昇する。
・モンスターの落とすアイテムの質が良くなる。またステータス幸運を表示する。
――――――――――――――――――
たった数日で、このステの伸びならかなーり順調じゃない?
このままいけばレベル2目前、と言った所だろう。
次に見つけたのは、ニードルラビット。
一角のような螺旋状の大きな角を生やした大兎で、警戒すべきはその螺旋角による刺突攻撃である。ステータスが低ければ肉をも貫通すると言われており、群れで現れた場合、その危険度は一段階上の扱いを受ける。
しかし、
ニードルラビットは身体を地に伏せ、こちらの様子を伺っている。
(仲間が来るのを待っているのか? いや【禍転じて福と為す】の効果で知性を含めた全ての能力が上昇しているハズだ、一体何を狙っている?)
俺が知っている限り、コイツの武器は突進だけだ。躱して斬るか受けて殺せばいい。不意の一撃を外した時点でこいつは詰みだ。
そんな事を考えていると………
重いモノが地面を叩いたようなドン!と言う衝撃音と共に、俺目掛けて飛び掛かるニードルラビットの姿があった。
さながら引き絞った弦から放たれた弓矢の如き一撃
「不意打ちなら、危なかった・よ・な・!」
言葉の区切りごとに、身体を捻り、躱し、その首を跳ね飛ばす。
『ぼとり』と、水っぽい音を立て躯が落ち、周りに血だまりを作る。
「ダンジョンバット先生のお陰で、飛来物を斬り落とすなんていう、曲芸染みた芸当も出来るようになってるんだなぁ……これが」
ちな、ニードルラビットの捻じれた角と脚先は、《スキル》持ちが作る武具や薬の素材となり、その肉も美味らしい。
嘘か誠かは不明だが、
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