第9話 天神様と適正職業
カードが黄金色に輝き……私とトビトのカードにある『職業』の項目が光っていく。
トビトはアサシン。
私は精霊術師。
聞き覚えのない言葉だが……こちらでは常識かもしれない。
トビトを見ても平静を装っていたので、私も同じようにした。内心は、いくらかはしゃぎかけたけどね?
「カードを拝見してもよろしいでしょうか?」
ウサギ耳の女性に言われたのでカードを差し出せば、可愛らしく目を丸くしたのだった。
「あら。アサシン……に、精霊術師?」
「珍しい職業でしょうか?」
「え……っと、そうですね。アサシンはそうでもないのですが……精霊術師の方は少し」
今現在、トビトと言う眷属を得ているのもあるだろうが……世界樹にとっては、私も眷属のようなものだからね?
それが、適正な職業になるとは思わなかったけれど。
「注意点とかはありますか?」
「あ、はい! このギルドカードは発行時は無料ですが、無くされたり破損した場合は1000
「わかりました」
日本円で言うところの……たしか、銀行のキャッシュカード的な感じかな?
単位とかは全然違うようだが。
「それと、軽犯罪でも繰り返ししてしまった場合は……権利剥奪のこともあるのでお気をつけください」
「……はい」
絶対ないとは言い切れないが、大事なことなので片隅に入れておこう。
カードを返してもらってから……懐にそれぞれ入れ、次に
掲示板とやらには、様々な書類の紙が貼り付けてあった。少しばかり、社の御籤や絵馬の並びに見えたのは内緒だ。
「こちらにあるのが依頼の掲示板です。ランクごとに適正なものが書かれていますので、最初はカードを見ながら選ぶといいと思います」
「……討伐に採取?」
「主な部類はその二つです」
出来なくはないと思うけど、護衛任務とやらはいきなりは難しいだろう。まだこの世界の仕組みとやらがよくわかっていないからね?
女性に言われた通りに、カードと見比べてから……トビトは私に任せていいのか動かず、私は採取の書かれている紙をひとつ選んだ。
「こちらを受けたいと思います」
「はい、治癒草の採取ですね? 採取の場合、規定量を越えたものは計算して買い取りますので」
「わかりました」
街中でいきなり聖樹石があるとは思わないけど……世界樹がこの街に送り届けたのなら、どこかにあるかもしれない。
しかし、人間のふりをしなくてもいけないので金子の工面は必要だ。
食事も不要だとは思うが……怪しまれるのはごめんだからね?
何せ、以前の人間だった時よりも……神だった時よりも、充実した生活を送れそうだからだ!!
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