第五十話 通報者X 事件編
「二日前に都内の『桃園公園』で起こった殺人事件をご存知ですか?」
ある年の四月のある日、品川裏町の榊原探偵事務所を訪れた警視庁刑事部捜査一課第三係係長の斎藤孝二警部は、正面のソファに腕組みをしながら座っているくたびれたサラリーマン風の男……この事務所の主である元警視庁捜査一課警部補の私立探偵・榊原恵一に尋ねた。
「確か、桜の木の下に男の死体が転がっていたという事件だったか」
「やはりご存知でしたか」
「新聞に書いてあった事だけだがね。被害者は新聞記者だったらしいが」
「はい。名前は
「それは構わないが……そんなに難しい事件なのか?」
基本的に警察も、自分たちでは手に負えないという事件でない限りは最初から榊原を頼るというような事はしない。つまり、警察にとって榊原は本当にどうしようもなくなった場合の切り札的存在であり、従って警察から榊原に持ち込まれる事件はそれなりに難易度が高い事件が多いのだ。それだけに、こう言っては何だがこの程度の事件で斎藤が自分を訪ねてきた事が榊原にはいささか不自然に思えたのだった。
だが、その答えの前に斎藤は懐から音声の再生機器を取り出し、それをテーブルの前に置いた。
「その前に、これを聞いてもらえませんか?」
「これは?」
「警視庁通信指令センター……すなわち一一〇番の指令センターにかかった通報の録音です。ここには今回の事件の第一報の通報が録音されています。実はこの事件、マスコミ等には公表していない極秘の事実があるんです」
そう言って斎藤は機器のスイッチを入れ、やがてスピーカーから通信指令センターの女性担当官の音声が響く。それは以下のような内容だった。
『はい、一一〇番です。事件ですか? 事故ですか?』
『(女性の声で)た、助けてください! 人が……人が倒れているんです! 頭から血を流して……このままだと、私も殺される!』
『落ち着いてください。まずは、そこがどこなのかを教えてください』
『ここは桃園公園です! たまたま歩いていたら、桜の木の下に血を流した人が倒れていて……そのすぐ近くに男が立っていて……すぐに逃げたけど、わ、私、見られたかもしれない! このままじゃ、私、殺される! お願い、助けて!』
『大丈夫です、すぐにパトカーを向かわせますから。あなたの名前は?』
『わ、私は……アッ!』
(何か電話口の向こうで争うような物音)
『もしもし、どうしましたか? 大丈夫ですか?』
『……(無言。荒い息遣い)』
『もしもし?』
(電話の切れる音。しばらく反応を見た上で、担当官は最寄りパトカーに指令を出す)
『……警視庁から桃園公園周辺を警ら中のPC(パトカー)へ、該当する車両は応答願いたし』
『杉並中央12(杉並中央署所属パトカー12号車)から警視庁、こちらは現在桃園公園近辺を通過中、どうぞ』
『警視庁から杉並中央12、桃園公園内公衆電話から同公園内の桜の木の下で男性の撲殺死体発見の通報あり。至急現場に急行して確かめられたし。なお、通報者は途中で通話が途絶えており、安否が心配される。付近に通報者がいないかどうかの確認も願う』
『杉並中央12から警視庁、了解、確認に向かう』
(数分後)
『杉並中央12から警視庁、通報通りの場所で倒れている男性の遺体を発見。周囲に人影等なし。これより現場保存作業に入る。捜一(捜査一課)及び鑑識の出動を要請する』
『警視庁了解。引き続き現場保存作業に入れ』
「……以上です。ひとまず、聞いてみてどう思われますか?」
テープを止めると、斎藤は榊原に尋ねた。一方の榊原は腕を組んだまま唸り声を上げている。
「状況がわからんと何とも言えないな。ひとまず、この後どうなったのかね?」
「指令センターからの連絡で駆け付けたパトカーで巡回中の警察官が、通報通りの場所で遺体を発見。後に殺人だと断定されたので、捜査一課の私の班に捜査が引き継がれています。しかし、肝心の通報者の姿はどこにも見えず、この身元不明の通報者の行方は現在もわかっていない状態です。通報の際の会話の様子から、我々は問題の通報者が通報中に事件に巻き込まれたものと考えています」
「まぁ、妥当だろうな」
榊原もその考えに同意した。
「榊原さんにお願いしたいのは、この謎の通報者の正体とその行方の特定、及び通報者を連れ去った犯人を特定してほしいという事なんです。仮に通報者が事件に巻き込まれていた場合、事件から二日が経過したこの状況ではその安否が気遣われます。何とかお願いできませんか?」
斎藤の頼みに、榊原は厳しい表情を浮かべながらも眉をひそめた。
「そう言われてもね……そういう事情なら私だって何とか協力したいが、ある程度の手懸りがないとどうしようもないぞ」
「もちろん、わかる限りの情報は提供します」
「……わかった。とりあえず、いくつか質問をさせてもらう」
そう前置きして、榊原は早速斎藤から情報収集を試みた。
「まず、通報を聞く限り、問題の通報は携帯ではなく公衆電話からという事でいいんだな?」
「はい。通報されたのは遺体発見場所から百メートルほど離れた場所にある同じ公園内の公衆電話からで、周辺に防犯カメラなどはなく、利用者を調べるのは絶望的です。通報時刻は午前八時頃。花見シーズンが終わったばかりで、この早朝では公園内は閑散としていたと思われます。解剖の結果、死亡推定時刻は午前五時から六時頃と推測されています。凶器は大きな石で、遺体のすぐそばに転がっていました。指紋等は検出されていないので、犯人は手袋をしてこの凶器を使っていますね。少なくとも計画的犯行なのは間違いなさそうです」
「通報は死後二~三時間後か。しかし、通報の内容から考えると、通報当時遺体の傍に犯人がいたのは間違いなさそうだが」
「えぇ。通報者はその光景を目撃し、その直後の通報中に追いかけてきた犯人に襲われたと考えるのが妥当でしょう」
「……となると、犯人は犯行後、人に見られるリスクまで犯して二時間以上も遺体の近くにいた事になるが、そんな事をする理由がわからんな。おそらく鍵となるのはその辺の事情だろうが……現実的に考えて一番ありそうなのは、犯行後一度現場を去ったが、何か事情があって再び現場に戻り、その時にこの通報者に目撃されてしまったという場合か」
榊原はそう言って情報を整理しながら、次の質問に移る。
「問題の公衆電話に遺留物は?」
「公衆電話からの通報なのでお金を入れずに通報できる緊急通報のボタンが押されており、そこに手袋の跡が付着していました。どうやら通報者は手袋をしていたようです。まぁ、当日の朝は春らしからぬ寒さだったのでそれもやむを得ない話ですが……それともう一つ」
斎藤はそう言うとビニール袋に入った証拠品を差し出した。
「これは……ボールペンか?」
「はい。問題の公衆電話に落ちているのを鑑識が回収しました。おまけに緊急通報ボタンに付着していた手袋の跡と同じものが付着しています。通報者の持ち物と見るのが妥当でしょう。残念ながら指紋は付着していませんでしたが……」
「つまり、通報者を特定するための唯一の手懸り、という事か」
榊原は斎藤から袋を受け取り、しげしげと中を観察する。
「『英邦大学』と書いてあるな」
「遺体が発見された場所のすぐ近くにある大学です。このボールペンは、入学時に学生全員に配布されているものだそうです」
「ふむ……」
思案する榊原に対し、斎藤が情報をまとめていく。
「ひとまず、現段階で情報をまとめると……まず、通報者は女性で、少なくとも英邦大学の関係者である事。この声からするとかなり若い女性のようですから、断定はできませんが学生の可能性が高いでしょう。また、発見した時間帯から見て、おそらく通学のために公園内を歩いている所で事件を目撃した可能性が高いと本部は判断しています。そして、彼女が見た『犯人』は少なくとも男性である事は確かです」
「まぁ、普通に考えたらそうなるな」
榊原はそう言うと、さらに自分でこう付け加えた。
「もう一つのポイントは通報者がこのご時世に携帯電話を持っていなかった、あるいは使えない状態にあった事だ。仮に持っていたなら、わざわざ公衆電話なんか使わずに直接携帯で通報したはずだ」
「それについても同感です。ただ、問題は榊原さんが言うように、このご時世に携帯電話を持たない大学生が果たして存在するのかという事なんです」
「まぁ……まずいないだろうな。考えられるとすれば、携帯を家に忘れていた、あるいはなくしていた場合か、携帯の充電を忘れていてバッテリーが切れていた場合という事になるだろうが……」
そう言ってから、榊原はこう聞き返した。
「当の英邦大学は調べたのか?」
「もちろん、行方不明になっている学生がいないか調べたんですが、何しろここは広大なキャンパスに合計約一万人の学生を超えるマンモス大学です。連絡のつかない学生の数も多く、学校側も把握できていない人間がいて、正直調査は行き詰っています」
「問題の桃園公園を通学路にしている学生に絞れないか?」
「それなんですが、現場の桃園公園は英邦大学のすぐ近くにあるんです。従ってこの公園を通学路にしている学生も多く、ここから絞り込むのは不可能に近いかと」
「そうなると……やっぱり問題の『犯人』を明らかにした方が手っ取り早いか」
榊原はそう呟いた。
「亡くなった被害者の遺留品の方は?」
「ポケットに財布と携帯電話が入れっぱなしになっていました。従って物取りではありませんね。ただし、いつも持ち歩いていたという手帳や鞄などが確認できておらず、これについては持ち去られた可能性が高いです」
「その携帯にかけた形跡は?」
その問いに対し、斎藤はこんな事を言った。
「それなんですが、被害者が勤務する新聞社を退社したのが前日の午後十時で、そこから死亡推定時刻までの七時間の間に通話記録が三件記録されていました。調べた結果、その相手全員に被害者を殺害する動機があり、なおかつ全員男性でした。犯人の条件には合致します」
「第一級容疑者、という事か」
「その通りです」
そう言うと、斎藤は懐から三枚の写真を取り出して、それを榊原の前に並べた。
「右から順番に、
「まぁ、それは当然だな。とはいえ、目下のところ怪しいのはこの三人か」
榊原は写真を前に思案する。梅木は眼鏡をかけた真面目そうな男。花見はイケメンルックスのどこか軽薄そうな男、目白は渋い表情を浮かべた中年男性であった。
「梅木は国交省勤務の国家公務員、花見は代議士秘書、目白は大学病院の医者です。三人とも苗木に対する情報提供者という事になっていますが、どうも三者三様に公にされたくない事があり、苗木はそれをネタに三人から無理やり情報を聞き出していたという側面が強いようです。当然、三人ともこれについて快く思っていなかった事は充分理解できます」
「なるほど、動機は充分という事か。……で、当然話は聞いているんだろう?」
「もちろんです」
斎藤はそう言うと、手帳で容疑者三人に対する聞き取り情報を説明し始めた。
「まず、国交省の梅木は午前一時頃に電話を受けており、本人も電話があったこと自体は認めています。ご存知の通り、最近国交省では天下りをめぐる汚職事件が起こっており、苗木はそれについて取材する中で情報源として梅木に目をつけたという事らしいです。電話の内容もそれに関連した事で、本人曰く苗木の知りたがっていた情報を提供した後はすぐに電話を切って、それ以上の事は知らないと言っています。死亡推定時刻の午前五時から六時に関しては寝ていたためアリバイなし。通報のあった午前八時も通勤途中でアリバイらしいアリバイはないとの事です」
「アリバイの観点から見ると、かなり怪しいという事か」
しかし、斎藤はなぜか首を振った。
「ところが、この梅木ですが一週間ほど前に通勤途中に駅の階段から落ちる事故に遭いましてね。その際に右足を骨折して、現在松葉杖をついている状態なんです。凶器の石はそれなりに大きいもので、相手を殴ろうと思ったら両手で持つ必要があります。となると、松葉杖の梅木に犯行は不可能という事になってしまうんです」
「つまり、梅木はアリバイこそないが、身体的な理由で犯行が不可能という事だな?」
「そういう事です。一応言っておきますが、件の怪我が仮病という可能性はあり得ません。その点に関しては診察した医者の証言で間違いないようです」
「ふむ……」
斎藤は続けて二人目の花見の情報を読み上げる。
「二人目の花見は午前一時半頃に電話を受けており、彼が秘書をしている代議士の所属政党のスキャンダルについての情報を要求されたそうです。本人曰く情報を聞くとすぐに電話は切れたとの事で、梅木同様後の事はわからないとの事です。また、自宅で寝ていたという事で死亡推定時刻のアリバイはありません。ただ、早番だったため通報時間の午前八時頃には事務所に出勤していたというアリバイがあります」
「犯行時間のアリバイがないというのは少し引っかかるな」
「ただ、この男は大学時代に自動車事故で意識不明になるほどの重傷を負った事があり、その時の後遺症で左腕が不自由なんだそうです。日常的に軽いものを持つくらいなら支障はないんですが、凶器の石ほどの大きさと重さの物を持ち上げ、あまつさえ人を殴りつけるなどという事は不可能というのが医師の見解です」
「こちらも身体的なネックが存在しているわけか」
榊原が考え込む中、斎藤は三人目の情報へ移った。
「三人目の目白は午前二時頃に電話を受けており、こちらは彼の勤める大学病院で行われる次期病院長選出選挙に絡む派閥抗争についての情報を要求されたとの事です。他の二人同様彼も情報を聞くと相手は電話を切ったと証言しており、その後の事は知らないと言い張っています。死亡推定時刻については、担当の患者が夜間に容体が変わったことから当直の医師から自宅の固定電話に電話連絡があり、電話越しに指示をしていたという形でアリバイあり。その代り遅番だったので通報時刻である午前八時のアリバイはないそうです」
「なるほど……殺害時のアリバイはあるが、そのアリバイが声だけというのが気になるな」
「しかし、携帯電話ではなく自宅の固定電話によるアリバイですからそう簡単に崩せません。現場と彼の自宅の間は直線距離で三キロほどありますから、現場に自宅の固定電話を持ち込みでもしない限りアリバイ工作は不可能です」
「まぁ、無理がある話なのはわかる」
「なお、他の二人の容疑者と違って、この男には身体的な怪我等はありませんでした。その辺はさすがに医者ですね」
一通り情報を述べると、斎藤は榊原に問いかけた。
「今までの話を聞いて、他に何か聞きたい事はありますか?」
その問いに対し、榊原は小さく頷いた。
「一つだけ。この三人の被疑者の具体的な経歴を知りたい。わかるか?」
「もちろん、調べてあります」
斎藤はそう言うと、三枚の書類を差し出した。そこには三人の経歴が事細かに記されていた。
「まず梅木ですが、明正大学卒業後に国家公務員試験第一種試験を通過して国交省に入庁。いわゆるキャリア組という奴です。入庁後しばらくは地方の整備局や運輸局を異動し続けていましたが、その後中央に戻って、港湾局海洋防災課、海難審判庁、海事局内航課といくつもの部署を点在して、現在は総合政策局海洋政策課に所属しています。海難審判庁在籍時は五年前に伊豆沖で起こった小型クルーザー座礁事件の調査に関与し、真相究明に貢献したとして賞ももらっているようです」
「クルーザー事故……あぁ、確か船上でコカインパーティーをしていた若者連中がクルーザーを暴走させて岩礁に乗り上げ、そのまま沈没したとかいう事故だったか。一時期ニュースでだいぶ騒ぎになっていたが、あの事故の担当だったのか」
「記録によれば八名中五人が死亡。梅木は生存者に積極的に話を聞くなど地道な調査を行い、事故の真相を解き明かしています。調査官としての腕は確かだったようですね」
次に、斎藤は二人目の経歴を説明する。
「続く花見ですが、彼は問題になっている英邦大学の政治学部の卒業生で、卒業後に一度は大手貿易会社に就職。しかしその最中に政治活動に目覚めたらしく、二年前に会社を退職した上で代議士の小室重一郎の秘書として活動しています。非常に有能で、将来的には小室代議士の地盤を引き継ぐのではないかともっぱらの噂になっています。ただ、先程言ったように大学時代に仲間四人とドライブに出かけた際に乗っていた車が事故を起こし、意識不明の重傷になった上に左腕に後遺症が残ったものの彼だけが生き残るという目に遭っています。事故の原因は車両の機械的な故障によるものだったという事にはなっていますが……経歴で気になるのはその程度です」
そう言ってから、榊原が何か言う前に斎藤はこう付け加えた。
「ちなみに、先程言ったように彼は英邦大学の卒業生ですが、調べたところ問題のボールペンはちゃんと所持していました。少なくとも現場から見つかったボールペンは彼の物ではなさそうです」
「そうか……」
斎藤は咳払いして三人目に移った。
「最後の目白ですが、早応大学医学部入学後、そのまま早応大学付属病院の外科医として勤務。非常に優秀な医師で、特に三年前に都内で発生したバスとトラックの衝突事故では多数の患者の命を救ったとして何度かドキュメンタリーにも取り上げられています。将来的な附属病院の幹部候補にもなっているようで、まだ四十五歳ですがすでに派閥のようなものもできているんだとか」
「三年前のバスの事故と言うと……あれか、中央区にある交差点を横切っていた観光バスに真横からトラックが突っ込んできたという」
「トラックの運転手は即死で、調べた結果長時間労働による疲労運転だった疑いが浮上し、トラックを所有者である運送会社に警察と労基署が強制捜査を行っています。確か経営陣が業務上過失致死罪が執行猶予付き判決を受けたはずです。一方、バス側は目白の手術でかなりの数の患者が助かりましたが、それでも三人ほどが亡くなっているはずです」
「なるほどね」
そこで一息ついて、斎藤は榊原に尋ねた。
「どうですか。ここまでで何かわかりますか?」
そう聞かれて、榊原は少しの間何か考え込み始めた。斎藤は黙って榊原の考えがまとまるのを待っていたが、不意に榊原は顔を上げてこんな事を言った。
「一応、考えられる事はある。だが、その前に聞きたい事がある」
「何でしょうか?」
「……斎藤、お前はこの事件、どう思っているんだ?」
その言葉に、その場が静まり返った。
「どういう意味ですか?」
「言葉通りの意味だ。お前は、その苗木という記者を殺した人間にある程度心当たりがあるんじゃないか?」
その問いに対し、斎藤はしばらく榊原の方をジッと見やっていたが、やがて小さく息を吐いた。
「なぜわかったんです?」
「私でも少し考えたらわかった。この程度の事、お前がわからないはずがないからな」
「参りましたね。……おっしゃる通り、我々捜査本部は、被害者を殺害した人間についてある程度当たりをつけています。ただし、決定的な証拠がまだそろっていないという事もありますし、それよりも行方不明の通報者の安否が気遣われるため、捜査本部としてはまずは通報者の救助の方を優先する方針となったんです。そして、通報者の正体と行方がわかっていないというのは偽りなく事実です」
「なるほどね。だったら……私が推理を話す前に答え合わせといこうか」
「構いませんよ」
そして、二人は同時に告げる。
「苗木貴元を殺害した犯人は……」
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