第42話

「守、なにかわかった?」


「わかった。梅田さんは小暮くんが好きなんだ」


「え」


「気がつかなかった。そのためのステップなのか、デザイナーになりたかった。で、それが一度叶わなくて。下津さんのことは…たぶん、嫌いだろうな…梅田さんは、小暮くんがバツイチなのも知らないんだろうな…」


「それで?」


「小暮くんに振り向いてもらいたかったんだろうな…それも叶わなくて、過去の人に復讐したみたいな?…はぁ、疲れた」


めちゃくちゃ遠回りなんだけど。


「梅田さんは、会社の人には相談とかしてなかったのね。で、下津さんは梅田さんに会いに行ったかな」


「行ったかもね…なに言われたんだろ。ま、これで梅田さんがなんでうちの会社に入ったかわかった。もう無関係だから、調べる必要ない。いや…」


昔の話だけ聞いとくか…一応。知ってそうな友人に電話してみる。


多喜たきちゃん、梅田さん…」


「守!お、おい結婚したのは本当なん」


「梅田さんとクラスは一緒だったのかって」


「は?梅田?まぁそうだな」


「小暮くんとどんな関係?」


「あーあいつが小暮を追いかけ回してたな」


なんだよそれ。


「そんなわかりやすかったのかよ!ったく!なんで教えてくれないわけ?下津さんに迷惑かけたかもしんない!」


「は?下津?守の知り合いだったのか?」


「多喜のアホ!」


くそー!同級生だった多喜が小暮くんのこと詳しいの忘れてた。くそー!

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