第35話

街に出てスカウト活動。と言っても…声かけなんて難しい。なんか話しかけても許してくれそうな人を探す。


「あ、あの…私モデル事務所の者なのですが、お話よろしいでしょうか?」


「あやし〜」

「胡散臭そー」


女子高生に一蹴された。柴田さん、たぶん中学生なはず。…学校さえわかればいいのだが。

午前中が終わり、ランチをしていたところ、電話が。…え、準也さん!


「やほー藤原くん」


「あ、の…どうかされました?」


「お別れ言うの忘れてたから」


律儀なのか…なんなのかわからない。


「元気でね」


え。もう会えないみたいですけど…。


「あの、足助さん…撮影できそうですか?」


「だいじょーぶ!写真撮るのうまいよ〜!」


「ですが…素人ですよね」


「シロート?」


「えっと…足助さんカメラマンじゃないですよね?」


「カメラマンやるよ?」


うわ、めんどくさ。電話めんどくさ。


「藤原くんよりじょーずになるかもしれないよ!競争したら?」


「いや…いいです…スカウト忙しいので」


「oh!見つかったんだ!」


「ま、まだ…です…けど…」


「そう?じゃーねー」


切られてしまった。午後からもモデル見つからなかったら、社長になんて言われるか。前社長なら罵ってもらいたいのに…今の社長だと憂うつになる。

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