第29話

梅田のあんな姿、はじめてだ。私は梅田のこと、全然知らない。大学出て、デザイナー目指してたのは知ってた。それだけ。私は、友達いなくて…梅田だけが友達だった。仲良しというか、話してくれるのが梅田だけで。でも梅田は、見下されてると思ってたの?全然友達として見てなかったってこと…?


有太の話は何?なんで今有太…?わからない。


「下津さん。今後は面会をお控え下さい」


「…わかりました」


受け付けにそう言われた。私は…なにしてんのかな。もう、モデル辞めちゃった。梅田とまた仕事しようと思ってたけど…もう無理そう。


「あの、梅田はなにをしたんです?」


「しばらくお待ちください」


パソコンを叩き出した。私はぼーっと待っている。


「詐欺です」


「そんなこと梅田はしてません!」


「確定しています」


「…梅田は悪い人じゃない。なんでわからないんですか?」


「…あなたの知らない姿があるのでは。これ以上関わらないほうがよろしいかと」


私は結局どうしたらいいの?

社長は…奄美で梅田を待つのかと聞いてきた。私が待ってて、会ったら梅田喜ぶ?

いや…私すごく、すごく嫌われていた。

梅田のこと全然知らない。支えてあげたい?…どうしたらいいかわからない。

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