東京面接

第12話

社長の旦那が、なぜか社長になった。しかも、カメラマンの小暮くんの友人らしい。小柄で、女みたいな顔して、デザイナーの足助さんの親戚とか?はぁ、こんな人と話すことなんてない。


「旭川さん、私は先日沖縄に面接に行きました」


「なんですか?それが」


面接と関係ない。しかも面接する意味はなんだ。


「話し合った結果、あなたのやっていた採寸の仕事は、元奥様にやってもらうことになりました」


「は?沖縄の話はなんなんです?」


「わからないんですか?」


「脈絡ない話ですね」


「あなたのやったことは知ってますよ。裁判をしてもいいですけど、あなたのご家族のことを考えて、このような結果になりました」


「はぁ?俺がなんです?なにをしたって?」


「わからないんですか?」


「あなたは社長じゃない。部外者ですよね」


「いいえ。社長ですよ。確認したいのなら以原グループに直接問い合わせてみては?」


生意気だ。


「素人ですよね。社長は」


「ええ。ですが社長なので。私は仕事をしているだけです。では、もう結構です。餅月もちづきさんをお呼びください」


「はぁ!?なんの面接だよ。俺と何にも関係ない。仕事を邪魔しただけ」


「旭川さん、もう結構です。仕事にお戻り下さい」


クソ生意気だ!こんなやつ、絶対辞めさせてやる。

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