第11話

「そうです」


ほほう。アメリカのモデル事務所もよく知ってるみたい。さすが社長の旦那!


「あのねージャムは、レナが休んでる間に仕事ばんばん入れてさぁ〜。予定パンパンらしーよ」


「レナは私も知っています。今休んでいるんですか?」


「産休」


「…そうなんですね。では、まだ戻れないんですか?」


「うーん、戻るかはわからない。赤ちゃんがかわいいから楽しすぎるって言ってた」


「他の方に仕事を譲れないんでしょうか?」


「それね〜。ジャムは有名になりたいからさぁ、やけになってて。1番人気になりたいんだよ。母親みたいな!」


「…それは、メアリーですよね?確か、東京のカメラマンの美空翼さんと結婚したことで辞めたとか」


「そ。母親よりも上を目指す?みたいな。でもさ、そんなカリスマ性はジャムにはないよ」


「それは、なぜでしょうか」


「…ジャムはね〜そうだなぁ、服をよく撮ってもらおうとか、そういうのないんだよね。自分至上主義で、私を見てーみたいな。彼氏とも別れてまで有名になりたいんだよ?ひどいよ」


「…そうなんですね。日本では人気ありますから、なおさら仕事に励んでもらいたいのですが」


「社長、それなら俺がなんとか説得してみるよ!」

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