第13話

餅月さんは面接が終わり、今度は元妻が社長室に。


「餅月さん…大丈夫でしたか?」


「え?面接ですか?」


「はい…」


「いやー近くで見るとさらにイケメンでしたよ!しかもめっちゃ優しい〜」


どういうことだ。あいつ、女にモテようとして。まさか不倫相手探してんじゃないのか?最悪。


「私の仕事のことよーくわかってて、まじで紳士って感じ!不満とかないですか?なんて、なんかもうすごい!」


「それで、不満は話したんですか?」


「忙しいですくらいは話しました!でも、社長は調整してるので、しばらくはまだ忙しいかもしれません。お身体に気をつけて〜なんて!紳士すぎ!」


あの野郎…本気で狙ってるってわけか。


「にしても、前の社長はもう来ないんですかね?」


「知らないです」


餅月さんは、不倫させられるってわけな。


「あ!日ノひのはらさーん!」


元妻はもう帰ってきた。早い。


「どうでした?新社長」


「めっちゃイケメン!加奈かなの友達の弟らしいのよね〜。まじでいい子!で、忙しいから採寸の仕事もしてほしいってお願いされちゃったわー」


「え!そうなんですか!負担じゃないですか?」


「わかんないことは餅月さんに聞けばなんでもわかるって〜。さすが餅月さん」


「え!そ、そんな。社長…照れますぅ」


俺がやってた仕事…ふざけやがって!餅月さんはメイクだぞ。何を考えてるんだ!しかし元妻に俺のことを話したのか…わからない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る