第20話 美少女と飲むシャンパンは極上
「ああ……素晴らしい!」
目の前に広がるのは色鮮やかなビルの光、それをタワマンの最上階から見下しながらシャンパン(ノンアルコール)を飲む。こういう勝ち組しかできない様なことを一度は誰もが憧れる。それを今実現できて優菜はかなり上機嫌だった。
「優菜様、お注ぎ致します。」
側に控えていたエリナが空になったグラスにシャンパン(ノンアルコール)を注ぐ。
「ありがとう、エリナも一緒にどう?」
「よろしいのでしょうか?」
「もちろん」
「では、お言葉に甘えさせて頂きます。」
エリナは台所から自分のグラスを取り、私の隣に座った。
「注ぐよ。」
「ありがとうございます。」
エリナのグラスに美しい黄金色のシャンパンが注がれていく。注がれたシャンパンは都心の夜景を反射させ美しく輝いていた。
「では美しい夜景に」
「「乾杯」」
グラスを軽く触れさせるとチリンと上品な音が鳴り、中のシャンパンが泡立った。
そして口に一口含むとシュワシュワと優しい炭酸が口の中に広がる。そして大人な甘みが後から追いかけてきて絶品だった。
「美味しいですね」
「うん、美味しい。これはきっとエリナと一緒に飲むから美味しく感じるんだね。」
「ふふ、嬉しいことを言ってくれますね」
「そりゃあ、こんな可愛くて魅力的な女の子と飲めることなんて普通はないからね。」
グラスを軽く揺らしながら呟くと、アルコールが入っていないのにエリナの顔が真っ赤になっていた。
『この後、襲われても文句言えませんよ……』
「ん? どうしたの?」
「い、いえ! な、何でもない……です。」
エリナはさらに顔を赤くして俯いてしまった。
(可愛いなぁ……)
そんなエリナが愛おしく気付けば頭を撫でていた。
美しい銀髪は毎日手入れをしているのかサラサラでとても触り心地が良くいつまでも触っていたいくらいである。
最初は驚いていたエリナも表情を緩め身を委ねる様にもたれかかってきた。
「今日はずいぶん甘えてくれるね」
「優菜様が甘やかしてくださるからですよ」
「そうかな?」
「はい、私は優菜様の前でだけ本当の自分を出すことができる様な気がします。」
確かに言われてみれば外で玲奈たちやクラスメイト達と接する外行の態度と私にだけ見せてくれる笑顔や照れ顔はまさに天と地ほどの差である。
「エリナ……」
優菜はエリナの肩を優しく抱き寄せた。
「甘えたくなった時はいつでも言って、いつでもたっぷり甘やかしてあげるから。」
「ありがとうございます、優菜様も私に甘えたくなったらいつでもお声がけください。」
「うん、その時はお願いしようかなでも今日は私の番だからね?」
「はいまだまだたっぷり甘えさせて頂きます!」
優菜にしか見せない特別な笑顔をしながら、さらに甘えた。
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