第21話 銀髪美少女に襲われる

あれから二人で話しているうちにシャンパン(ノンアルコール)は空になり、現在の時刻は0時50分。


 優菜も眠くなってきたのでエリナに声を掛けた。


「そろそろ寝ようか……ってエリナ?」


 声を掛けても反応がないので隣を見ると優菜の肩に満足そうにもたれかかっているエリナがスゥスゥと気持ちよさそうに眠っていた。


「エリナ?」


「……」


 完全に寝てる。


 銀髪超絶美少女が自分の肩に寄りかかって気持ちよさそうに寝ているという全国の男子諸君が憧れるシュチュエーションだが、ずっとこうしているわけにもいかないので何とか起こそうと肩を揺する。


 揺する度に立派に実った果実が揺れるので一瞬触ってみたいという卑劣な欲求が出てきかけたが何とか抑え込んだ。


「エリナ、エリナ起きて〜」


「ん……」


 ちょっと強めに揺すってみたが反応はない。恐らくすでに深い眠りに入ってしまったのだろう。


 だがこんな所で寝かしておくわけにもいかないので部屋に連れて行きたい。


 そうなるとアレしかない。

 

「うん、これしかない!」


 ちょっと嬉しそうに呟き自分の腕をエリナの背中に回し込みもう片方の腕で脚を抱える。


 お姫様抱っこの姿勢である。


「軽い……」


 エリナの体はとても軽く、転生して女になった優菜でさえ簡単に持ちあげることができた。


 持ち上げられたエリナはやはり起きる気配はなく、優菜の腕の中でスゥスゥと可愛らしい寝息を立てていた。


「ふぅ、これでよし」


 エリナを抱えつつリビングを出てエリナの部屋のドアを開け、何とかベッドまで運ぶことができた。


 このまま自分の部屋に戻るのも寂しいのでエリナの寝顔を少し観察することにした。


 糸の様な美しい銀髪に長いまつ毛、ぷるんと膨らんだ唇、相変わらずの美しさについつい口が緩む。


 この無防備で愛らしいエリナの姿を拝めるのは世界で自分だけだと思うと、何とも自分は幸せものだなと思う。


 そう思いながらじっくり眺めているとエリナの目がちょっとだけ開いた。


「ごめん、起こしちゃった? 今出ていくからーー」

 

 撤退しようと立ちあがろうとすると手を引かれベッドの中に引き込まれた。


 先程まで熟睡していた筈のエリナが優菜を押し倒す様な体勢で優菜の顔をじっと見つめる。


(ち、近い!!)


 何でこんなに近いの!? しかも何で私押し倒されてんの!?


 状況が把握出来ずに混乱していると、エリナが優菜の首筋に優しく口付けをした。


「へっ!?」


「ふふ、可愛いですね」

 

「エ、エリナ起きてたの!?」


「はい、最初から起きていましたよ」


「な、何で」


「さっき言いましたよね? 襲われても文句言えませんよって」


 そう耳元でいたずらっぽく呟くと再び首筋に口付けをした。


「優菜様の初めては全て私がいただきますので覚悟しておいてくださいね?」


「それってつまりーーひゃっ!」


 言葉を発する前に今度は耳に口付けをされたため、可愛らしい悲鳴が出てしまった。


「ふふ、耳も初めてでしたか?」


「い、いじわる……」


「まだまだですよ、今夜はあともうちょっとだけ優菜様の初めてを頂きます。」


「え、ちょ! うわぁ!」


 エリナから逃げられないと悟った優菜は大人しくエリナに体を委ねた。

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