第15話 忍び寄る陰
「最近、なんかやけに視線を感じるのよ」
お昼休憩になり玲奈がそう切り出した。
そういえば私も最近妙に視線を感じるきがするんだよねー、もしかして私のファンかな?
「私たちのことが好きなんじゃない?」
「どう考えたって好意の視線じゃないわよ……ほら今も見てる、ドアのところ。」
玲奈に言われて、バレないように目だけを動かし確認してみると二人組の女生徒が話していフリをしながらこちらの様子をチラチラと伺っていた。その目はまるで相手の弱みを探るかの様な視線だった。
「うわぁ……」
「ね、どう見たってただ私たちを見てるだけじゃない。何か探っているのよ。」
「そうみたいだね……」
「優菜も気をつけてね、何されるかわからないから。」
「うん……気をつけるよ」
ストーカー怖いなぁ、などと思っていると購買にパンを買いに行ってくれていたエリナと里奈が戻ってきた。
「お待たせしました、購買少々混んでおりまして。」
「ん、これ……ご所望のブツ……」
そう言いながら買ってきたパンを渡してくれたが彼女達も不気味な視線に気がついた様だった。
「彼女達、2日程前からこちらを監視していますね。恐らくあのふたり以外にも仲間がいると思われます。」
「何か……企んでそう」
「やっぱり、そうなのかな?なんか不安だね」
「ええ、警戒した方がいいわね」
エリナと玲奈は改めて警戒を強めた。
(付けられていますね。)
エリナは帰りの道の途中で気がついた。
気配は2人、恐らく昼間の二人組でしょう。気配が全然消せていない、素人ですか。このまま放っておくのもいいですが……私と優菜様の自宅まで来られると不快ですし、この際潰しておきますか。
「すみません。優菜様、私学校に忘れ物をしてしまいました。少々取りに行ってもよろしいですか?」
「うん、わかった。早く帰ってきてね。」
「承知いたしました。玲奈様、里奈、優菜様のことをよろしくお願いします。」
「わかったわ。ちゃんと送る」
「任されたー」
「では。」
これで優菜様は大丈夫、あとは私が彼女達の目的を暴き元締めを潰すのみ。
「誰であろうと容赦はしない……優菜様の障害になり得るものは全て排除する。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます