第14話 不穏な動き
「ぼ、僕とつ、付き合ってください!!」
「ごめんなさい。」
「はは……ですよね……」
そう言い残し、男はとぼとぼと帰っていった。
「まじで勘弁なんですけど!」
男の姿が見えなくなったところで優菜が呟いた。
なんか最近やけに告白される頻度が多い気がするなーもう今月で9回目まぁ私、顔はいい方だからしかたないのかな?
「にしても、男から告白されても全然嬉しくないんだよなぁ……」
どうせなら美少女から告白されたいよね
「優奈様、終わりましたか?」
私のことを待ってくれていたエリナが、そう訪ねてきた。
ちなみに玲奈たちは、ゲームの腕を鍛えるからと先に帰ってしまった。
「待っててくれてありがと、先に帰ってても良かったのに」
「いえ、主を置いて帰る訳には参りません。」
「真面目だねぇ」
最近エリナは、告白で呼び出された私を待っててくれる。とても嬉しい限りだ。
「また告白ですか……」
「まぁね、エリナは告白されたりしないの?」
「1回だけありましたが……ちょっと脅したらそれ以降は無くなりましたね」
どんな脅し方をしたのか気になったが聞いたら後悔する気がしたのでやめておいた。
「お困りのようでしたら、私が軽く脅しときましょうか?」
「う〜ん、しつこいようならお願いしようかな」
「分かりました。いつでもお申し付けください。」
「それより帰ろっか、エリナのご飯食べたい。」
「ふふ、分かりました。では帰りにスーパーに寄ってから帰りましょうか」
2人は楽しそうに話しながら帰路に着いた。
天慶学院のとある一室、そこに大勢の女生徒が集まっていた。
その中でも威風のオーラを放つ、女生徒が口を開いた。
「皆、よく集まってくれた。今日話したいのは他でもない、噂になっている鳳条グループの令嬢についてだ。最近彼女への告白率が異常に高い、これは君たちも面白く思っていないんじゃないかな?」
周りの女生徒達が顔をしかめた。
「それから如月グループの令嬢について、皆知っての通り最近彼女らはすごく親密になってきている。このふたつの企業の娘たちが仲良くなられては我々にとって脅威となる。だからーー」
威風のある女生徒は勢いよく椅子から立ち上がった。
「奴らの弱みを探り、お互いの仲を引き裂くのだ。我ら慶陰会の名にかけて……」
慶陰会それは学院を裏から操る。学院において力を持つ令嬢によって結成された会。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます