第12話 里奈のライフはもうゼロよ!

「気をつけーれーい」


 号令係のやる気のない号令が響き、一年生の中間試験は終わった。


「ふぅ、なんとかなったわね」


 優菜的には今回のテストは中々手応えがあった。最初のテストだから簡単だったのもあったかもしれないが。


「お疲れ様でした、優菜様。」


 試験が終わってすぐに駆けつけてきたエリナが言った


「エリナもお疲れ、試験どうだった?」


「手応えはありましたので高順位は確定かと」


「流石ね、頼りになるわ」


「ふふ、お褒めに預かり光栄です。」 


 そんなことを話していると、帰る支度をした玲奈と里奈がやってきた。


「あら、その顔は二人とも中々出来たようね」


「まぁね、玲奈はどうだった?」


「私も今回のは自信があるわ、勝負する?」


「いいよ〜、負けた方が勝った方にご飯奢るってことにしよう」


「わかったわ、まぁ私が勝つからなんの問題もないけど」


「言うねぇ〜 ま、勝つのは私だけど」


 と、3人で勝者の会話で盛り上がっているが忘れてはいけない。必ずしもその場にいる4人全員が勝者ではないことを。


「ところで里奈はどうだったんですか?」

 

 エリナはなんの容赦もなく、青ざめている里奈に問いかけた。


「…………」


 そして里奈は無言。


「全くあなたがいけないのよ、教えてあげるっていったのにいいっていうから」


 更に元気をなくす里奈、もうやめてあげて里奈のライフはゼロよ!


「まぁまぁ、それ以上は里奈が可哀想よ、そんなことより明日試験終わった記念で皆で遊びましょ」


「優菜様……」


 里奈が救世主を見るような目でユウナを見つめた。


「いいですね、やりましょう。」


「わかったわ。」


 こうして試験お疲れ様会の開催が決定した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る