第11話 美少女同士のあ〜んは最高

 午前の授業は最初の授業ということもあり、ほとんどが先生の武勇伝や自慢話を聞かされて終わった。そして今は昼休み優菜達は食堂で昼食を取るため、食堂を訪れていた。


「う〜ん! このオムライスたまらなくおいしい」


「このローストビーフもすごくいい味よ」


「くっ……悔しいけど美味しいですね」


 エリナは悔しがっていたがそれも仕方ない、なんたってここの食堂のシェフは皆天慶学院が厳選した一流の中の一流なのだから。


「本当に設備が整ってて最高……もっと楽しまなくちゃ!」


「楽しむのはいいけれど、もう少しでテストだからちゃんと勉強しとくのよ?」


「うう……そうだった……」


 玲奈の言う通りあと1週間で定期テストなので勉強しないわけにはいかない、入学早々赤点なんか取ろうものなら今のところ築けている才色兼備のイメージが崩れてしまう。


「皆は大丈夫なの?」


「私は大丈夫です。」


「私も大丈夫だけど……里奈が」


 3人の視線が里奈に集まる。だが里奈はそんなことは気にすることなく、ラーメン餃子チャーハンセットを黙々と頬張っていた。


「この子は容量はいいんだけど、勉強すること自体が嫌いなのよやれば出来る子なのは確かなのだけど……ちょっと里奈聞いてるの?」


「うん……聞いてるよ……」


 そう言いつつも視線は玲奈のローストビーフをガン見していた。


「はぁ……仕方ないわね」


 そう言うとエリナはローストビーフを食べやすい一口サイズに切ってフォークに刺し、里奈に向けた。


「はいあ〜ん」


「あーん!」


「どう、美味しい?」


「おいひい」


 満足そうにローストビーフを頬張る里奈を玲奈は微笑ましい笑みで見守っている。


(おおー!! 美少女同士のあ〜んがこんなにも絵になるものだとわ思わなかったやはり百合は最強だな)


「……」


 それを見ていたエリナが自分の食べていたカルボナーラをフォークに巻き付け、優菜の前に差し出した。


「エ、エリナ?」


「あ、あ〜ん!」


「えぇー……」


 ここは食べるか否か戸惑っていると玲奈が予想外のことを言ってきた。


「食べてあげなさい」


「玲奈まで……もうわかったよ!」


 そう言い切り、エリナが差し出したカルボナーラにかぶりつくと、口の中にカルボナーラのクリーミーな味が溢れた。


「ど、どうですか?」


「す、すごく美味しいよ……」


「それはよかった……です。」


 二人して、顔を真っ赤にしながら硬直していると玲奈と里奈が声をかけてきた。


「二人とも……すごく可愛い……」


「もういっその事あんた達結婚すれば?」


「うう……」


「……わかってるじゃない」


 その時密かにエリナの中で玲奈と里奈に対する好感度が少し上がった。






 

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