第13話
「姫様、いっちゃった」
「いっちゃったです」
カエデとカウマがモアをみた。
「反重力プレートで横に落下する。
姫様に加勢する」
モアが後部デッキに駆け出した。
「カウマ、止金を破壊しろ」
カウマが右腕を龍の腕に変え、長い爪で破壊しまくった。
モアはコントロールパネルのスイッチを押すと浮き出した。
カエデが右手をモアの腰に回した。左手で縁を握った。
「運転に集中して」
モアの耳でささやいた。
カウマが印を結ぶと服が脱げた。
下から3番目のチャクラ、力のチャクラ・マニフーラを回した。
背中からコウモリ翼がはえ、完全なる龍へと変化した。
モアが浮かび横に落下すると、龍の姿でついてくる、
目の前で駆逐艦2艦を沈めた霊式がアパッチに突っ込んでいく。
「姫様、勝ってる」
「アパッチが相手なら相手が悪い。
戦争初期ならともかく、実験機といえど後期作られた分なら」
案の定やられだした。
「このまま強襲揚陸艦にぶつけるぞ、
歯を食いしばれ。
カウマは姫様の救出を、
霊式は諦める」
カエデはモアを抱きしめた。
ドゴォーーーーーン
反重力プレートは水を切り激突した。
強襲揚陸艦が回転して転覆する。
カエデに包まれながらモアも海に投げ出される。
アパッチも霊式も海に落ちた。
「姫様」
カウマがモアの言いつけ通り救出に飛び込む。
カウマが沈む霊式に追いついた。
そこは頑丈な
コクピットの中でモガガガガガとくるしんでいち。
カウマはコクピットを破壊して姫様を引きづりだす。
姫を抱えて浮上する。
マールズ姫は空気を吸うと激しく咳き込む。
「アンタ、誰ょ」
「カウマです、変身中です」
浮いた強襲揚陸艦の船底に投げ出された人が集まってきた。
カエデに助けられてモアもたどり着く。
目の前で潜水艦が上がってくる。
アパッチを乗せていた。
潜水艦上部のハッチが開いた。
2本足の狼男が現れた。
「グレゴリ様」
闇の眷属。
長い事、
拡散した多くの親戚が守られている。
コクピットから赤髭の男が救出された。
髪が赤と緑の2色。
「ダンピールなのか」
モアがつぶやいた。
ボン。
マールズ姫がコウモリに変化した。
「私は飛べるからモア達を助けて」
「わかりました」
「うわー」
影が伸びてきてモアに巻きついた。
カエデが影の元を見た。
謎の怪しい中国人が立っている。
「尸解仙」
カエデが腰の刀を抜いた。
「風水師でもありますアル」
手裏剣を投げながら中国人に向かっていく。
熊手で手裏剣を弾き返し、カエデを切りつけた。
カエデが宙を舞って回避する。
カエデは腕にできた傷を吸った。
「毒を使ったな」
「気づくとはさすがアル」
「あいにく身体は毒にならしてあるんでな」
「それをやると寿命が縮むアル」
「ソチラの方は
中国人は呪符を懐から取り出した。
「影はまだいっぱいアル」
呪符を投げると影に変化する。
「忍法、影縫い」
全ての影を地面に刺した。
全ての影が呪符に戻る。
「カエデ、ホリーシップが来ている」
モアがさけんだ。
カエデが目を外すと光に包まれた両輪の黒煙をあげる蒸気船が近づいている。
「俺はいい。
ホリーシップは駆逐艦より相性が悪い。
姫様のところに帰って知らせろ」
カウマが空をやってくる。
「モア様、必ず迎えにきます」
カエデは走ってカウマに飛び乗った。
やがて、中国人、ダンピール、狼男に取り囲まれた。
「ようこそ新大陸へ、モア・サルディーラ殿」
「人を指名手配犯みたいに言わないで、アンタらもとりあえず名乗ったらどうだい」
「グレゴリ・クリストフ」
「シー・チン・ピン」
「バーナード」
「どうもご丁寧に」
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