第11話

「戦闘機」

 コクピットでグレゴリ・クリストフうめいた。

 カミカゼアタックの記憶が生々しい時、

 日本の飛行機を見ただけで戦列が乱れる。

 裏の顔は革命を主導するCIAのエージェント。

 表の顔は特殊部隊隊員、パイロット。

 怪しく揺れる起動を描きながら向かってくる。

「可変戦闘機」

 後部の駆逐艦にとりつくと、日本軍が誇る霊式に変化した。

 背中に背負った日本刀で胴を真っ二つ。

 轟沈した。

「ヤツはマッチだ(防御力が低い)機関銃をだせ、超電磁砲レールガンでは狙いがつかない」

 巨神兵からグレゴリが艦橋に叫んだ。

 霊式がさらに可変して、前を進む駆逐艦に襲いかかる、

 さすがに刃こぼれしている。

 何度も何度も叩きつけて、折れたら艦橋を貫く。

 機関銃を構えた時、駆逐艦は沈黙した。

 意識を拡張したレンズが敵のコクピットをとらえた。

「女、いやマールズなのか、

 ハッハッハッハッハッ。

 コイツはいい」

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