第6話

吸血鬼ヴァンパイヤ供を火あぶりにしろ。

 命をもて遊び、富を簒奪している、王家を許すな」

 赤毛赤髭の男が松明たいまつを持って馬上から叫んだ。

 群衆が扉を破壊した時、男はニヤリと笑った。

 グレゴリ・クリストフ。

 革命を主導するCIAのエージェント。

「ホーホッホッホー。どうやら上手くいったアル」

 謎の怪しい中国人が声をかけてきた。

 シー・チン・ピン。

 巨漢、肥満、どじょうヒゲと三拍子そろっている。

 その時激しい雷鳴が空に駆け上がった。

 王宮の屋根が吹き飛ぶ。

 群衆はドヨメキ、そして静まり帰った。

「天罰」「呪いだ」ささやきあう。

 空いた屋根からゆっくりとゴーストシップがせりあがる。

「魔法文明の飛空船、形は幽霊船に近い」

「今時、帆船なんて有り得ないアル」

 破れた門から4本足の狼が走ってくる。

「クリストフ様、ご無事ですか」

「バーナードか、一体何があった」

 狼男が人間に変化した。

「ハッ、王家の奴ら、当時最高傑作。魔法文明×飛空船×幽霊船を起動させたようです」

 文明の十字路として栄えていた時代があった。

 文化レベル西や、東より高かった時代があった。

 そして権力や宗教に弾圧された人々を受け入れた時代があった。

 ゴーストシップがゆっくりと多国籍軍に向かっていく。

「マジかよ」

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