69 パーティ編成
「レイドマスターを務めることになった、城塞のレェイオニードだ。皆よく集まってくれた。俺たちの敵はゴブリンの軍団だが、正面攻撃はライン騎士団の本隊が請け負っている。俺たちがやるべきことは討ち漏らしや後退してきたゴブリン達の殲滅だ。
開戦時刻は16時。場合によっては夜戦になる。そのつもりで準備してくれ。
パーティ編成はこちらに張り出させて貰った。各自確認して、即座に北東へと出撃してくれ」
レェイオニードさんが集まった冒険者たちに挨拶をして作戦を説明していく。
「私達は……良かった、やはり3人共同じパーティですね」
私はパーティ表を確認し、ほっとするように笑顔を作る。
「はい。よろしくお願いしますエルミナーゼさん、セーヌさん!」
「こちらこそ、よろしくお願いします。セーヌさん、リエリーさん」
私も「よろしくお願いします」と二人にペコリとお辞儀をすると、そこへ一人の女性冒険者が声をかけてきた。
「あ、あの。こちらエルミナーゼさんのパーティであってますでしょうか?」
「はい。エルミナーゼさんがパーティーリーダーのパーティで間違いありません」
私が答えると、女性は「良かった。すぐに見つかって」と笑顔を浮かべる。
「私、後衛の白魔法師としてレイドに参加しました。キアラと言います」
「あぁ……キアラさん! 早めに合流できて良かったです。
こちらパーティリーダーのエルミナーゼさん、そしてリエリーさん、私がセーヌと申します」
「エルミナーゼさんにリエリーさんにセーヌさん……よろしくお願いします!」
4人目が揃い、私達はパーティを結成した。
「基本戦術としては、私とセーヌさんが大剣で前衛として突っ込みます。
中衛及び後衛の護衛としてリエリーさんが、そしていざという時の保険として後衛にキアラさんが待機するという形です。よろしいですね?」
エルミナーゼさんが戦術の確認をする。
リエリーさんが「護衛戦闘は初めてですが、善処します……!」と言ったので、私はリエリーさんに護衛戦闘のコツを少しだけ教えた。
そうしていると、レイナ姫とリネスさんの二人に声をかけられた。
「セーヌさん! 私もパーティに……」
「……ダメです姫様。あくまでも斥候を頑張るのだと言っていたではないですか」
パーティ入りをせがむレイナ姫をリネスさんが押し留める。
「でも……せっかく冒険者として参加出来ると思ったのに……!」
「姫様、向かうのは間違いなく戦場です。ここはレェイオニードと共に最後衛として本陣で待機するのが王族としての責務というもの。決して前線に出るなどという行為は許されません」
「でも……!」
「でもではありません!」
リネスさんがレイナ姫を一喝する。
「レイナ姫、フランシュベルトの街を守る指揮をするのも重要な任務です。
万が一、後退してきたゴブリン軍が街を襲うなんてことにならないよう、フランシュベルトをよろしくお願いします」
私がそう言ってレイナ姫を諫めると、レイナ姫は「むぅ……分かったわ」と不承不承ながらも納得してくれた。
「それでは、私達はこれで……失礼しますレイナ姫」
「いってらっしゃい!」
「頼みましたよセーヌさん」
レイナ姫とリネスさんの二人に見送られて、私達4人パーティはフランシュベルト北東へと向かっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます