47 お使いの報告と古式魔法スキル
セーフガルドへと馬車で帰ってきた私。
帰る前に海宴亭へ寄って、前回食べられなかった海の幸を味わってきた。
エルミナーゼさんの食べた、二種の海鮮卵のご飯ドンブリだ。
あの味はブルーアーチンに負けず劣らずだ。
また食べに行く機会があったらいいな。
「おかえりセーヌ。本当に1日で帰ってきたのね」
「はい。遅くなりましたが……それと、即帝の近縁者のお話なのですが、どうしても行きたくないとの事でした」
「そう……。まぁ危険な場所だから当然かもしれないわね。
うーんそうなると、即帝領の大太刀は手に入らずかー。
勇者パーティーの人たちが聞いたらどう思うかしら?」
「さぁ……イアさん辺りは心底残念がるでしょうが……」
私達がそんな話をしていると、ヨシノが私に声をかけてきた。
「セーヌ! おかえり。サウスホーヘンまで行ってたんだって?」
「はい。ホウコさんに頼まれてお使いで。
帰り際に海の幸も味わってきました」
「へぇ~いいなー今度私もサウスホーヘンに行こうっと。
って! そうじゃないってば!
さっきミサオさんが来て、『お手隙でしたら是非ウチへ』だってさ」
「ミサオさんが……?」
ミサオさんといえば、思い出したことがある。
エアームーンシャーク討伐の一件のことだ。
リエリーさんが即帝領で話してくれた月女神ルーナの加護の事も気になる。
ミサオさんはもしかして即帝の近縁なのではないだろうか?
試して見る価値はある。
「ありがとうございます。明日はお休みを頂いているので窺ってみます」
「うん! それじゃお疲れ様でした!」
「お疲れ様でした」
そう言って非番の受付を残し、ヨシノさんは去っていった。
「セーヌも今日は帰りなさいな。疲れたのでしょう?」
「はい、ですがその前に」
私は人の居ない受付へと行くと、いつものように水晶を取り出した。
そして冒険者カードを当てる。
【初級光魔法S】。
初級光魔法を習得した証。
初級光魔法を行う際に大幅な効果補正がかかる。
【初級闇魔法S】。
初級闇魔法を習得した証。
初級闇魔法を行う際に大幅な効果補正がかかる。
【古式初級風魔法S】。
古式初級風魔法を習得した証。
古式初級風魔法を行う際に大幅な効果補正がかかる。
【古式中級風魔法S】。
古式中級風魔法を習得した証。
古式中級風魔法を行う際に大幅な効果補正がかかる。
【古式上級風魔法S】。
古式上級風魔法を習得した証。
古式上級風魔法を行う際に大幅な効果補正がかかる。
【古式元素感知S】。
クアンタを正しく探知できるようになる。
【古式元素操作S】。
クアンタを正しく操作できるようになる。
【古式無詠唱魔法S】。
無詠唱で古式魔法を発動できる。
【古式身体強化S】。
クアンタを用いて身体強化を発動できる。
Sランクなのでクアンタ次第で大幅な身体性能の向上が見込める。
【古式神速S】。
身体強化と古式上級風魔法の移動補助を用いた複合スキル。
音よりも速く、見るよりも速く、あるいは光よりも……。
古式魔法関連スキルがすべてSランクで獲得できている。
私の強さの支えである身体強化まで、古式魔法の要領で大幅な強化に繋がっている。
ネルさんに師事したおかげだが、どんどん強く、速くなる自身にワクワクが止まらない。
このまま明日も頑張っていこうっ!
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