第4話
中学一年生に戻れた。
あたしは12歳になれた。
どうしてこうなったかはわからない。
ただ念じたら、戻れたの。
高校受験とか今はしなくていい。
市江ちゃんはいない。
あたしの身長は低くなっている。
太りぎみから標準体型に戻っている。
いちごの食べ過ぎで、太っていたもんね。
いちご離れとかして、
市江ちゃんと仲良くならずに、
友達とか作るもん。
だけど、中学になれば女はグループとか作るから、厄介なんだよな。
あたしは、市江ちゃんと友達になんかなりたくない。
あんなに仲良くしてたのにって思った?
女の友情は深いようでいて、実は冷酷。
信用してはいけないの。
あたしは友達とかできたけど、市江ちゃんとは仲良くならなかった。
市江ちゃんと一緒にならないように、手芸部に所属しなかったもん。
そんな時、うさぎなのか猫なのかわからないような小動物が話しかけてきた。
その時は、友達と一緒に帰って別れた瞬間だったの。
「素質があるね。念じただけで、時間を二年前までに巻き戻せるとは」
何を言っているんだ?
変なことに巻き込まれたくないので、無視することにした。
無視というか、見えていないふり、聞こえてないふり、関わりたくないもんね。
「こっちにも考えがあるからな」
動物が指をパチンと鳴らせば、あたしは変身を始めた。
えー!
驚きを隠せないでいた。
魔法少女?
カワイーっ!
衣装がどうなっているか眺めていたい。
だけど、その前に…。
あたしは、動物を撃退しなくては。
あたしは、動物を倒さなきゃ。
ステッキでぼこぼこにする始末。
「やめてくれ」
あんな奴の思い通りになんかならない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます