第4話

 僕と桜は誰もいない洞窟に入っていた。

「危ないからやめようよ、桜」

「ヤミーちゃましかいないのです。

 サクラ様なんて連れて行ったら、さくらさんに怒られるのです」


 洞窟の中を進んでいくと、

「現れたな、弱虫桜と、我が弟ヤミー」

「ヒカリ兄ちゃん」


「弱虫桜なんで、侮辱すること許されないのです」

「こう言った方がいいかな?強がり桜」

「挑発しているとしか思えないのです」

「自分の弱さに築いていないのか?それとも、自分の弱さを見たくないのか?」

「何を言いたいのかわからないのです。

ヤミーちゃまを狙っているのですね」

「ヤミーは、今も闇属性なのかい?」

「光属性に変わったと言いたいのですか?」


 僕の属性は、闇属性のため狙われているとさくらさんから聞いたことはある。

 だけど、サクラ様の属性はわからなくて、試験監督者から調べてみても、何も属性が出てこなかったと聞いた。


「自分の出自さえ振り返れば、自分の本当の属性がわかるはずなのにな」

「あたしは小学三年生のころから離婚に離婚を経験したのです」

「その前だよ。君が本当は何者なのかわかっているんじゃないのか」

「何をですか?」

「本当の属性を。さくら先生でさえも、試験監督者さえも騙してしまった能力。

そして、サクラ様の属性でさえもわからなくしてしまった」

「それより本題なのです。サクラ様と、ヤミーちゃまを狙ってどうする気だったのですか?」

「自分のこととなると、それほど目を向けたくないのか。

実はサクラ様を狙っているなんて、初めはそうだったかもしれないけれど、今もそうとか誰から聞いたのかな?」

「結論を言うのです」


 ヒカリ兄ちゃんの言いたいことは、僕にもわからなかった。


「君が奪ったんだよ。

炎の属性も、誰かから奪った能力だろ?」

「そんなことないのです」

「サクラ様の属性がわからないのは、君が魔法を奪ってしまったから。

そして、ヤミーの魔法も奪っていっていると思う。

本当の闇は、君自身だろ」

「言っていることがわらないのです。

あたしは闇ではないのです」

「なら、わからせてあげるよ。真実を」


「ダークサイド」とヒカリ兄ちゃんが唱えると、黒い光が出て、桜は倒れてしまった。

「桜!?」

「大丈夫だよ。気を失っているだけさ。すぐに目覚めるよ。

闇属性の魔法を持たない君には用はないから。

じっくり真実を語ろう」

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